『人間変性症』 最終症状3
マザーコンピューター
『では、まず、開祖録の、最終審議の模様を、映像でお見せします。』
ぶーん、ぶーん、
映像が始まる。
どこかの、会議室。
マーダー捜査官
『みよ! 人類だ!』
スリラー捜査官
『し、信じがたい。キグルミではないかしら。』
マーダー捜査官
『きみ、ほんと、しつこいな。』
スリラー捜査官
『だって、実在の人類と考えるより、キグルミと考える方が可能性が高いわよ。テレビ・ドラマかも。』
マーダー捜査官
『口の動き、表情。キグルミではないよ。』
スリラー捜査官
『あやしい。CGよ。』
映像のなか。
人類が5人間、着席した。
一方、やや遅れて、ごき人類5ごきが、現れた。
船長
『このほうが、キグルミみたいだな。実物をみてなきゃ、そう思うさ。』
スリラー捜査官
『失礼な。』
マーダー捜査官
『おっしゃる通りさ。』
最後に、ひときわ着飾ったごき人類が着席した。
マザーコンピューター
『こちらが、‘’元祖ごき大将‘’です。』
スリラー捜査官
『な、なんと? 普通のような。後光がない。なぜ、上座ではないの? あり得ない。』
マーダー捜査官
『あったりまえだろ。信じてたのか? そんな、偶像を。』
議長と副議長の男女ふたりが着席した。
マザーコンピューター
『地球政府の最後の大統領と、議会議長です。』
マーダー捜査官
『この、議長。船長に似てるな。』
スリラー捜査官
『人類なんて、みな、同じに見えるわ。』
マザーコンピューター
『船長さまの、子孫に当たります。』
船長
『ほんとか?』
マザーコンピューター
『はい。こちらの議長さんは、あなたの、ご兄弟の子孫の方になります。』
船長
『その表現は間違っている。これから、‘’なる‘’、わけないだろう。おいらは、ずっと指摘していたがな。ついに、なおらなかったか。』
マザーコンピューター
『時代の流れです。ことばの表現には、流行もあります。』
船長
『筋が通らない。』
🍢
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