『人間変性症』 最終症状2

 

マザーコンピューター

 『では、お歌を歌いなさい。』


船長

 『は?』


マーダー捜査官

 『え?』


スリラー捜査官

 『おわ!』


館長

 『む!』


アーニーロボさん

 『ぴー!』


船長

 『なんだい、それは?』


館長

 『たしかに、核心をついている。』


船長

 『いやあ。さっぱり分からないよ。ぼくは、音楽は苦手だ。』


館長

 『ごき人類は、歌を歌えません。』


船長

 『なんと? なぜ?』


館長

 『何故か、分かりませんが、なぜだか、歌はまったく、駄目なのです。歌を歌えるごき人類は、いまだに、見付かっていません。』


船長

 『そうなの? しかし、ぼくは、歌は苦手だ。かつて、宇宙飛行士カラオケ大会に引っ張り出されたが、ついに、歌わなかった。歌わないことが、ぼくの、ステイタスなんだ。』


マーダー捜査官

 『あんた、人類を見捨てる気か?』


スリラー捜査官

 『ほら、やはり、歌えないのよ。いいきみよ。』


アーニーロボさん

 『船長、あんたはんは、人類の岐路に立っています。歌ぐらいなにか知ってるでしょ。』


船長

 『いやあ。むかし、いじめた、部下の某やましんは、歌ばかり歌っていた、やなやつだったが、それだけは、歯が立たなかった。だから、絶対に歌は歌わないと決めた。』


アーニーロボさん

 『なんだ、それは?』


マーダー捜査官

 『たのむ。ちょっとだけでも、歌ってください。』


スリラー捜査官

 『ふん。もともと、歌えないんだ。無理しなくていい。』


アーニーロボさん  

 『変貌しかけたのが、まずかったかなあ。』


館長

 『船長。あなた、むかし、うたったじゃないですか? ほら、あれ。』


船長

 『は? なんだっけな?』


館長

 『‘’宇宙のおじさんのうた。‘’』


船長

 『おわ。そういえば。…………』



 船長は、猛烈な圧力にさらされていた。







      🍣イイキミダ




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