『人間変性症』 下の12
食事のあと、マーダー捜査官、スリラー捜査官、アーニーロボさん、館長、それに、船長は、その『開祖録』のオリジナルデータを確かめに行った。
マーダー捜査官
『いかにも、頑丈なスペースですね。』
スリラー捜査官
『未来的ね。』
館長
『しかし、思いきり、過去のものですから。』
そこは、周囲をすべて、金属質の壁に囲まれている。
マザーコンピューター
『みなさん。よく、ここに、きました。ここに、誰かがきたのは、地球時間で、2050年と、210日ぶりです。』
船長
『長いんだか、短いんだか。』
館長
『わたくしや、あなたには、あっという間ですね。』
船長
『いや、まさに。』
マーダー捜査官
『まあ、生きていても、そうだけどね。』
スリラー捜査官
『まさか。それは、錯覚よ。』
マザーコンピューター
『あなたがたのなかに、真人類がいるならば、そのセンサーに手を載せてください。』
船長
『シンジンルイ、とは、ぼくのことかな?』
館長
『はい。』
四角い感知器が床から持ち上がる。船長、手を載せる。
マザーコンピューター
『たしかに、あなたは、真人類と確認しました。では、真正なる、つまり、真実の開祖録。つまり、『ごき人類創世記』を、初めて、開示いたします。』
館長
『はじめて? わたしが前に見たのはなに?』
マザーコンピューター
『あれは、簡略版でした。真実のごき人類創世記は、真実の人間にしか、開示できません。ただし、同時に立ち会うのは認めます。』
ぶわーん、
という、機械的な音がした。
そうして、前方に大きなディスプレイが現れたのである。
マザーコンピューター
『わたしが、データを、そのまま読みます。そのように、設定されております。古代文字なので、表示を読めない人がいるかもしれないからです。その人の心を痛めないためにも。止めたいとき、戻りたいときは、そのように言ってください。他の言語を希望しますか? 真人類さん。』
船長
『このままで良いです。』
マザーコンピューター
『では、始めます。不都合があれば、言ってください。』
😤サクシャ。ドスル?
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