『人間変性症』 中の2


マーダー捜査官


 『いいかい。ここは、ごきの穴とも呼ばれる、GCIA(ごき中央情報会)の本部なんです。甘くみてはならないわけです。ま、あなたは、命拾いしました。これから、ごき医療刑務所に護送されます。』



怪物


 『ふうん。(超小型偵察機が飛ぶのを横目でみながら。)あなたの努力?』



マーダー捜査官

 『違います。現ごき大統領は、死刑が嫌いだからです。それを、上司があらかじめ、配慮したのです。あなたは、精神的な、病であるとして。』



怪物


 『ふうん。配慮ね。ごきでもやるのか。裁判はしないのか。』



マーダー捜査官

 『あなたも、ごきだ。それに、裁判は、済んだ。』



怪物

 『ちぇ! 欠席裁判かい! 人類は、まあ、たまにはやるけどな。きちんとした法治国家ならやらない。いいさ、きっと、自力でもとに戻す。』



マーダー捜査官

 『ぜひ、そうしてほしい。あなたとぼくの利益は、一致する。だから、しばらくは、大人しくしていてください。』



怪物


 『なにか、考えがあるのか?』



マーダー捜査官

 『いまは、だまっていてください。』



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