『人間変性症』 中の1


怪物

 『ぼくは、人間である。』



 しかし、鏡に映る自分には閉口しているようだ。どうみても、巨大ごきであった。



 ふたり、観察室から眺めている。



マーダー捜査官

 『ずっと、ああ言ってる。』



スリラー捜査官

 『だから、人間変性症だと言ったでしょ。』



マーダー捜査官

 『ぼくも言ったはずだ。最初見たときは、人間だった。古代資料にある通りのね。』



スリラー捜査官

 『あなたは、信念性妄想よ。』



マーダー捜査官

 『検査の結果は?』



スリラー捜査官

 『もう、でる頃よ。』



バーチャル技官 入ってくる

 『失礼。検査結果です。ばーん。』


 ピストルを射つ真似をする。



スリラー捜査官

 『なによ。ふんふん………げっ。ごき!』



マーダー捜査官

 『なんだ?』



 スリラー捜査官、資料を渡す。



マーダー捜査官

 『ほう。おもしろい。この遺伝子はなんだい?』



スリラー捜査官

 『突然変異でしょ。たまに、あるわ。』



マーダー捜査官

 『きみは、こんな証拠を見ても、認めないのか?』



スリラー捜査官

 『たんに、DNA異常があるというだけよ。人類だという証拠にはならない。人類の遺伝子は検出されていないわ。恐ろしい爆弾で、みな、丸焼けだもの。』



マーダー捜査官

 『頑固だな。』



捜査官リーダー 入ってくる

 『疲れた。変われ。まったく、話しにならん。地球から、宇宙探査に出た。帰ってきたら、ごきの惑星になっていた。自分はごきを食べたら変身した。そればかりだ。むかしの話しは、妄想だらけだ。』



マーダー捜査官

 『だから、真実を話している可能性があるんです。あいつが言っている、宇宙基地の場所を特定して発掘しましょう。まずは、宇宙船を探しましょう。』



リーダー

 『あほか。そんな予算ない。宇宙船なんか、どこにも居なかった。単なる異常な病人だ。即決裁判で、終身刑だな。いま、医療刑務所に予約を取っている。一生、収容だ。』



 マーダー捜査官、取調室に入る。



マーダー捜査官

 『ぼくは、きみが、人間だった姿を見た。』



怪物

 『そうだろう。なぜ、それを、認めないのか?』



マーダー捜査官

 『ぼくは、主張したが、信じてもらえない。証拠が足りないんだ。なにか、ないか?』



怪物

 『宇宙船がある。』



マーダー捜査官

 『なに? どこに?』



怪物

 『遮蔽装置で見えなくしている。独自の調査もする。すでに、君たちは調べられている。もし、敵性生物と判断し、さらに君たちが、ぼくを処分したら、コンピューターは、攻撃を行うだろう。そうなれば、この惑星に大打撃が来るぞなもし。ぼくが行かないと、コンピューターは、解除をしない。宇宙船に返してくれ。』



マーダー捜査官

 『きみを連れ出すのは至難だ。』



怪物

 『あなたが、真実を知りたいなら、やるべきだ。』



マーダー捜査官

 『たしかにな。』



  🌠🌠🌠🌠🌠🌠



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