42.川流れ

 ラングレンの号令ごうれいで、みんな一斉いっせいかわんだ。

「みんな、いてこう!カラダのちからいてね」『おう!』

『ぐぁっ!ちょっとボス!尻尾しっぽらないでくださいよぉ』『ああ、すまんっ』

 クロードとラングレンのやりりに、みんなクスリとわらい、自然しぜんとカラダのちからけた。

 ボクたちは、そこから順調じゅんちょうすすんでった。しかし、すすむにつれ状況じょうきょう一変いっぺんする。

『おい、なんかながれがはやくなってねぇか?』ライトの言葉ことばをみんなもかんじていた。

「あっ!や、ヤバい!!」

 数十すうじゅうメートルさきで、かわながれがプツリとれ、そのさきえない。

『みんな、たきだ!しっかりつかまってて!一旦いったんきしがるから!』

 クロードとボクは、みんなをきしほうかい必死ひっしおよいだ。

 しかし、ながれは予想以上よそういじょうはやい。みんながつかまったままだと、まったくすすまない。

『このままじゃ全滅ぜんめつしちゃう!クロードとハルトさんだけできしまでって!ほかのみんなは覚悟かくごして!たきからむわよ!』

「バカをうな、フォンダ!ボクたちはみんなを見捨みすてないぞ!」

『そうだよ!オイラたちからはなれちゃダメだよ!』

『いや、ダメだ!フォンダはおれたちの軍師ぐんしだ。このさくが1ばんただしい。ふたりだけでもきしへ!』

『ボス、わるいがその命令めいれいけねぇ。オイラは、仲間なかま見捨みすてるくらいなら……ねぇ、ハルトさん!』

「もちろんだよ!……あっ!」

 ボクは、ながくてふとめのぼうきしちているのをつけた。あれなら、みんなつかまることができる!

「クロード!ぼうってくる!すこしのあいだ全員ぜんいんつかませてくれ!」

了解りょうかいッス!オイラだってやるときゃやりますよ!さあ、みんなオイラにつかまって!』

 ボクは、全力ぜんりょくきしまでおよぼうにすることができた!

 クロードもてるちからすべ使つかい、かわながれにさからい、っていた。

「みんな!つかまって!」

 ボクは、クロードたちにかってぼうのばばした。おもい……けど絶対ぜったいはなさないぞ!

 6ぴき全員ぜんいんがつかまった!「よし!みんなすこしずつぼうをつたってて!ゆっくりで大丈夫だいじょうぶだから!」その矢先やさき……

『ハルトォ!うしろだ!!』

 




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