37.遭遇!

 クロード、ラングレン、フォンダ、レフト、ライト、そしてハサウェイオレさま

 オレさまたちは、獣護山ししもりやまふもとまでていた。

 いよいよ、ニホンオオカミとしろ鹿しかのバケモノのなぞあばいてやる!

『ん?この馴染なじみのにおいは……』「みんなおはよう!」

『おおおいっ!なんでいるんだよ?ハルトォ!!』「えへっ」

『ガッハッハッ!ハサウェイ、おまえけだな』ラングレンのわらごえは、やまにこだました。

 そんなワケで、イヌ6ぴき人間にんげん1はひとつとなり入山にゅうざんした!


 やま不思議ふしぎだ。

 ハイキングやキャンプにときは、とても雄大ゆうだい自然しぜんをカラダいっぱいにかんじることができる。

 しかし、今日きょうみたいなときは、まるでべつ世界せかいへとまよんでしまったような、不安ふあん気持きもちになる。

『みんな、油断ゆだんするなよ!てきはバケモノだ。はなれずにかたまってすすもう!』

 ラングレンが、先頭せんとうからみんなにこえをかけた。

『あー、やっぱり1ぴきればよかったぜ。かなり危険きけんいそう……』

『ハサウェイよ、おれたちはおまえわれずともいてきたぞ。ハルトさんのようにな』『そうだぜ。なぁ、ライト』『ああ』

 しばらくのぼってくと、ハサウェイとボクがおそわれたがけしたまでいた。

 みんな、固唾かたずんであたりを見回みまわす。すると、どこからともなくしろきり発生はっせいし、あっというあたりをんだ。

『あのときおなじだ!みんな、油断ゆだんするなよ!』『OK!』

 きりは、ボクたちのカラダをすこしずつやしていく。ボクは、得体えたいれない恐怖きょうふで、鳥肌とりはだった。

『みんな、けろ!けものにおいがちかづいててる!』

 はなのきくクロードが注意ちゅういうながした瞬間しゅんかん……ドコッ!!

『ぐぁっ』『キャィンッ!』

 レフトとライトのごえこえた!しかし、霧深きりぶかく、つけることができない。

「レフト!ライト!大丈夫?」

『ああ、何とか……』

 双子ふたり姿すがたえないが、返事へんじだけはこえホッとした。だが、つぎ瞬間しゅんかん……ガツンッ!!

『ウオッ!』『きゃっ!』

 今度こんどはラングレンとフォンダの悲鳴ひめいあたりにひびわたった。

『クソォ、てき姿すがたえねぇ!ハルト、けろ!』

 ハサウェイとクロードは、をつぶった。

「どうしたの?ふたりとも……」『シッ!しずかに!』

 ボクは、口元くちもとさえてコクリとうなずいた。

 クンクンッ……ピクリッ……

『ハルト!みぎだっ!よけろ!!』

 クロードははな、ハサウェイはみみ。ふたりで1ぴきになり、てき居場所いばしょ察知さっちした!

 ゴゴンッ!バキバキバキ!ズンッ!!

 きりがスーッといた。姿すがたあらわしたのは、しろ巨大きょだい鹿しかのバケモノ!!その足元あしもとには体当たいあたりをらいたおれたふと

「バ、バケモノ……!」


















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