35.兄弟喧嘩

『ラングレン、フォンダ、紹介しょうかいするぜ。オレさまのアニキ、ハルトだ』

「ふたりともよろしくね!ラングレンはひどいきずだ!もしかしてニホンオオカミにやられたの?」

『ワンッ!』

『ハサウェイ、アンタのご主人様しゅじんさまやさしいわね。それに、とてもかがやいたひとみをしているわ』

「フォンダだったよね?ありがとう!そんなにめられるとれるなぁ」

『え?!』『なっ?!』

『うひゃひゃ、ふたりともおどろいたか?ハルトは、イヌ言葉ことばかるんだ。スゴイだろ?』


『さてさて、本題ほんだいはいろうか。まずは、ニホンオオカミだ。なぜのこっていたのかは不明ふめいだが、それよりもどうしてハルトとオレさまをねらうのか?』

「ボクたち自身じしんなんことかさっぱりからないんだ……なにしろこのまちたのは3年ぶりだし」

つぎに、オレさまが獣護山ししもりやまで見たしろいオオカミのバケモノ、ラングレンのしろ鹿しかのバケモノ、ハルトのものあられた風神雷神ふたり……こりゃどうかんがえてもつながってるだろう』

「だとすると、ボクのあおほのおとハサウェイのひか勾玉まがたまおな部類ぶるいだね……」

『くぅ。オイラあたまがこんがらがっちゃうよ』

『そうね。アタシもよ』

『それともう1つ、ハルトのおさななじみの陽菜ひな。コイツは絶対ぜったいかかわっている』

「ちょっとてよ、ハサウェイ!それはどういう意味いみだよ?」

『どうもこうもねぇ。あやしいってことだよ』

「くっ……まぁいいや。それで、これからどうするの?」

明日あす、オレさまはもう一度いちどやまのぼる。すべてのこたえはそこにあるだろう!』

『だったら、俺たち双子きょうだい一緒いっしょくぜ。マルコビッチの野郎やろうりがあるしな』

『もちろんおれくぞ』『オイラもボスについてくよ』『アタシもくわ。軍師ぐんし必要ひつようでしょ』

「みんなありがとう!とても心強こころづよいよ!ハサウェイ、明日あしたやまふもと集合しゅうごうでいいよね?」

『ハルト、勘違かんちがいするな。おまえれてかねぇ』

「え?さっきから何を言ってるんだよ?陽菜ひなちゃんをうたがったり、ボクをいてくとか……」

あしでまといなんだよ!よわいし、あしおそいし、邪魔じゃまになるだけだ!』

「ふ、ふざけるな!ボクは、ハサウェイの兄……」


 ガルルルルッ!


「え……」

 ハサウェイは、ボクにキバいた。まさか、おとうとにそんなことをされるなんて……

「もういい!勝手かってにしろ!ボクはボクでうごく!」

 ボクはみんなのもとからはしった。かおられたくない。だって、なみだまらないんだ……





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