32.オルドマン

 なんと、2とうがボクをたすけた。一体いったいどういうことなんだ?

がっていろ、人間にんげんどもよ』「う、うん」

 ボクは、地面じめんいつくばってあとずさった。

『ほぅ、まさかおまえたちがるとはな……風神ふうじん雷神らいじん

 オオカミと風神ふうじんたちは、おたがいをっているようだ。

『やめておけ、オルドマン。おまえ利用りようされているだけだ』

だまれ!あのおかた間違まちがってなどない!おまえたちこそ、ませ!』

『おい、このどもとイヌ始末しまつしてどうする?』

『フハハッ、わらわせるな雷神らいじんまっているだろう……こやつらのつぎは、にっく人間にんげんどもを駆逐くちくする!』

馬鹿ばかげている……』

「ちょっとってよ!なんなんだ一体いったい……人間にんげん駆逐くちくするって?」

 ボクは、ワケがからなかった。突然とつぜんあらわれたニホンオオカミが人間にんげんひどわせようとしている。

 そして、風神ふうじん雷神らいじん……ひょっとしてオオカミのオバケなのか?

「それと、どうしてハサウェイとボクをねらう?夏休なつやすみでたまたまこのまちただけだぞ!なぜボクたちのことっているんだ?」

『フハハッ!たまたまだと?本当ほんとうなにかっちゃいないんだな?まぁ、いい。てろ、ミコトォ!』


 ニホンオオカミのオルドマンは、ふたたキバいて、大翔ボクほう一直線いっちょくせんにかけてた!

まれぇ!オルドマン!』

 風神ふうじんはボクのまえふさがる!

 雷神らいじんはオルドマンに|びかかった!

『チィッ!』

 オルドマンは、雷神らいじん攻撃こうげきをジグザグにんでよける!

 いきおいそのままにうしあし地面じめんる!

 風神ふうじんかって前脚まえあしやりのようにした!

 風神ふうじんは、一瞬いっしゅんチラリとボクをると、オルドマンのやりをカラダでめた!

『グアッ!』

 オルドマンの前脚まえあしは、風神ふうじんかたふかいた!

 風神ふうじんはボクをかばってオルドマンの攻撃こうげきをよけなかったのだ!

 かれたかたは、まるでかみやぶれたようになっている。やはり風神ふうじんたちは、生物せいぶつではなさそうだ。

「ふ、風神ふうじん大丈だいじょう……」『いいからがれ!』

 つづけざまオルドマンは、風神ふうじんキバいた!

 しかし、雷神らいじんうしろからオルドマンの尻尾しっぽげた!

 オルドマンは、ちゅうでくるりと回転かいてんし、キレイに着地ちゃくちした。

「ごめんよ、ボクのせいで……」ボクは、なにもできず、うろたえるだけだった。

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