⑨フォンダ

  目的もくてきのスーパーにいた。ハサウェイは入店にゅうてんできないので、そとのリードフックにつないだ。

 『ハルト、さっさとっていよ。ばあさんがってるぞ』

 「ったく、どっちがご主人様しゅじんさまからないよ……。すぐにってくるよ」

 ハサウェイは、おすわりをしてっていた。河川敷かせんじきたたかいのつかれで、おおきなアクビをしたとき……

 『おにいさん、ないかおね。新入しんいりさん?』

  こえをかけてきたのは、わかメスのボーダーコリーだった。

 【ボーダーコリー】

 サラサラの毛質けしつに、スラッとながはな体長たいちょうおよそ50cm。とてもかしこい。牧羊犬ぼくようけんとしてひつじ管理かんりすること得意とくいなんだ!


『へぇー、このまちにこんな美人びじんさんがいるとはね。オレさまはハサウェイだ、よろしく』

 『あら、くち上手うまいのね。貴方アナタ毛並けなみも素敵すてきよ。アタシはフォンダ。よろしくね、ハ・サ・ウェ・イ』

 『ところで、首輪くびわけているけど飼い主ごしゅじんさま一緒いっしょにいないのかい?』

 ハサウェイは、綺麗きれい手入ていれされたボーダーコリーがひとりであるいていること疑問ぎもんおもった。

 『うふっ。今日きょう飼い主ごしゅじんさまがお出掛でかけでいないの。だから、ちょっとだけしてたのよ』『へぇー、もしかしてデートかい?』

 『さぁ、どうかしら?うふふっ』ハサウェイは、フォンダのはぐらかしたこたえにドキッとした。とても魅力的みりょくてきかんじたのだ。

 『じゃ、アタシはそろそろくわね』フォンダは、ハサウェイにウインクをしてそのはなれた。

 『おい、フォンダ!またえるかな?』フォンダはかず、可愛かわい尻尾しっぽってこたえた。

 ハルトボクものえてそとると、ハサウェイがボーダーコリーにかってえていた。

 「ハサウェイどうしたんだ?」『あ、わりわりぃ!お友達ともだちができたもんでよ。ハハッ』

 「そうか、かったね!あ、そうだ!オヤツにジャーキーってきたよ」

 『さすがはハルト!くね!』ハサウェイは、したをペロリとしてよろこんだ。

 笑顔えがおると、なんだかボクもうれしくなる。

 「さぁ、かえろう。おばあちゃんが心配しんぱいしちゃう」『おう!』


 

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