⑧クロードの誘い

 「え!ハルトくん、ニホンオオカミをってるの?たしかに、過去かこ50年間ねんかんで見つからない場合ばあい絶滅ぜつめつ】したとされます。けど、近年きんねんでもニホンオオカミの目撃情報もくげきじょうほう遠吠とおぼえをいたというひとあとたないんです!」


 れんくんは、をキラキラさせ、して説明せつめいした。オオカミが大好だいすきだということがひしひしとつたわってきた。

「そうだったんだ?てことは、その写真しゃしんはホンモノ?」

じつはコレ、ぼくたちがまれるずっとまえ写真しゃしんなんです。当時とうじこの写真しゃしんが、だいニュースになって動物学者どうぶつがくしゃ研究者けんきゅうしゃあいだで、オオカミだ、イヌだと論争ろんそうきたらしいです。結局けっきょく、これはイヌだというのが通説つうせつになって、オオカミだとひとはバカにされるようになったんです」

「なるほど。でもれんくんはしんじてるんだね?」

「あの……わらわないでいてね?じつぼく、この写真しゃしんにソックリなイヌ科の動物どうぶつをあのやま目撃もくげきしたんです」

「ええっ!」

 ボクは、おどろいていたくちふさがらなかった。


 はなし夢中むちゅうになっていると、いつのにかかたむいていた。

「ハサウェイ、そろそろおばあちゃんにたのまれた牛乳ぎゅうにゅういにかなきゃ」

『おう!じゃあ、みんなまた……』『ハサウェイ!ちょっとだけいいかい?』

 クロードは、ハサウェイをれてみんなからすこはなれた。秘密ひみつはなしかな?

『どうした?クロード。オレさまだけして……』

『ハサウェイはこのまちしてたのかい?』

『いや、ハルトが夏休なつやすみのあいだだけいるぜ。なんでだ?』

『てことは、3週間しゅうかんくらいはいるんだね?やはり挨拶あいさつしなきゃな……』

『あん?だれだ、ソイツは?』ハサウェイは、くびかしげた。

 『このまち仕切しきっているおとこさ。このまちおとずれたはイヌは、ボスに挨拶あいさつまりでね……』

 クロードは、ソワソワとかない様子ようすだ。

 『そうか。まあ、仕方しかたないな。れてってくれるか?』

 『ああ。ちょうど今夜こんや集会しゅうかいがあるから、そのとき紹介しょうかいするよ』『おう、よろしくたのむ!』

 みんなとわかれ、ハサウェイと大翔ボク商店街しょうてんがいにやってた。

『なぁハルト。れんってた、ニホンオオカミのはなししんじるかい?』

「うん!獣護山ししもりやまは、独特どくとく雰囲気ふんいきがあるし、なにがいても不思議ふしぎじゃない」

明日あした、ふたりでのぼってみねぇか?なん面白おもしろそうじゃん!』

「いいね!ってみよう!」


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