⑥仲間

 ライトは、さいわすこみずんだだけでんだ。

 レフトは、ライトのもとると、レトリバーにあたまげておれいった。『すまない……たすかった』

『ありがとう』ライトも、くびすここしておれいべた。

 イジワルをしたことじて、反省はんせいしている気持きもちも、表情ひょうじょうかられた。

 『無事ぶじかった!』ゴールデンレトリバーはやさしく微笑ほほんだ。


『それから……イジワルをしてもうわけなかった』

 レフトとライトは、尻尾しっぽ内向うちむきにいて、あたまげた。

『いやぁ、全然ぜんぜんにしないで!オイラはゴールデンレトリバーのクロード』

「ボクは八木大翔やぎハルト11さい。こっちは、イングリッシュ・セターのハサウェイだ」

『て、ことだ。よろしくな!』

 クロードのは、れんくん9さい。いつもこの河川敷かせんじきで、ディスク・ドッグの練習れんしゅうをしているとのことだ。

「ところで、キミたちはどうしてクロードにイジワルをしたんだい?」ボクのい、ライトはうつむきながらこたえた。

おれたち双子きょうだいは、おさなとき人間にんげんてられたんだ。それからはレフトとふたりでちからわせてきてきた……』

「そうだったのか。人間にんげんうらんでいるのかい?」ボクがおそおそたずねると、レフトがすぐに否定ひていした。

『それはちがう!おれたちは人間にんげん大好だいすきなんだ。だから……れんくんとクロードが仲良なかよくフリスビーであそんでるのが、うらやましかったんだよ』

『なんだ、そういうことだったのか。一緒いっしょあそんでくれとおねがいすればよかったのに……ったく、素直すなおじゃねぇな』

 かたわるいけど、ハサウェイは2ひきわるイヌじゃなくてうれしかったようだ。

「そもそも、イヌ人間にんげん何十万年なんじゅうまんねんむかしから、大切たいせつなパートナーなんだ。だからさ、イヌだとか、人間にんげんだとか、セターやレトリバー、雑種犬ざっしゅけんだとか……そんなこと関係かんけいない。みんな、仲良なかよくしなきゃね!」

 みんな、ボクの言葉ことばにうなづいてくれた。

今度こんど一緒いっしょあそぼうよ」と、れんくんはツインズをさそってくれた。

 2ひきとも、とてもうれしそうなかお尻尾しっぽった。

『きっと、クロードよりもフリスビーをキャッチするのが上手うまいだろうな』

『ちょっと!オイラにイジワルをわないでおくれよ』

『ウヒャヒャ、まぁおよぎだけはみとめるぜ!』

 ハサウェイとクロードのやりりに、みんな大笑おおわらいした。






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