④レフトとライト

 「な、なんてことを!」

 ボクは、土手どてからすべり、ソイツらのもとった。

『おい、ハルト!てよっ!ったく』

 「双子犬キミたちなにしてる?やめるんだ!」

 ソイツらは、ボクのこえがけにムッときて、にらみつけてきた。

 『なんだぁ、この人間にんげんは?』『生意気なまいきそうなガキだな』

『おい、ライト。どうするよ?この邪魔じゃま人間にんげん……』『なぁに、うなればこわがってげるさ。レフト』

 双子犬2ひきは、大翔ボクおどすらしい。しかし……

 「キミたち、うなってもボクはげないよ」

 『なっ?!なんだとっ!コイツ、イヌ言葉ことばかるのか?』『そんなバカな!』

 『へっへっへっ、オレさまの飼い主ごしゅじん犬語イヌごかっちゃうんだなぁ。スゲェだろ?おまえら』

 ハサウェイは、ペロリとしたして自慢じまんげにわらった。

 『なんだおまえは?』『レフト。こいつイングリッシュ・セターだぜ』『チッ!おれたちが雑種犬ざっしゅけんだからってナメるなよ!』

 『は?そんなこと、ひとことってねぇぞ?』ハサウェイは、くびをかしげた。

 2ひきイヌたちは、ハサウェイを威嚇いかくしてキバをむいた。

 『おいおい、なんだよ?ケンカなんかしねぇぞ!オレさまは……』『だまれ!』


 『ハルトォ!がってろ!』「うん!かった!」

 ボクは、おとことゴールデンレトリバーをれてすこはなれたところき、安全あんぜん確保かくほした。

 ハサウェイは、ハルトたちと別方向へ距離をとる!


〖ツインズ・シザーズ〗!!

 双子犬ツインズは、左右さゆう

 にかれアーモンドじょうに|走る!!

『早いっ!!』

らえ!ガァルルッ!!』

 ハサウェイをはさちに!!

 片方かたほう攻撃こうげきをかわしたが、もう片方かたほうキバくびらった!

 ガシュッ!!『ぐぁっ!』

 ハサウェイは、ぐさま双子犬ツインズから距離きょりをとる!

 『っ痛ぇなコノヤ……何ィ!』

 ハサウェイががったとき、すでに双子犬ツインズまえにいた!

 さすがによけれず、

 まともにらった!

 シャキンッ!!『グハァッ!!』

 ハサウェイのむねは、‪✕‬バツかれた!


 『どうだ?おれたち双子ツインズ攻撃こうげきは?』『もうがれないだろ?』

 ハサウェイは、地面じめんころがったままうごかない。

 「ハサウェイ、大丈夫だいじょうぶか!?おい、キミたち!2対1にたいいちとはズルいぞ!」

 ボクがかおうとした、そのとき……

 『ハルト!オレさまなら、大丈夫だいじょうぶだ』ハサウェイは、ボロボロのカラダでがった。

 


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