第15話スキルの取得条件は?
※この小説で出てくる病気は作者の想像によるものです。現実に名前が同じ病気があっても全然違うものになります。ご了承下さい。
*2階層転移の間*
「みんな集まったようだな。ではドロップ品を出してくれ。」
俺はNが178個Rが2個で計180体、もちろんスキルで重複ドロップした分は入れていない、マリーはNが174個Rが1個で計175体、リゼはN95個R1個計96体、メイはN80個R2個計82体で結果は俺の勝ちだった。
「あと少しでケントに勝てたのにー。残念ー。」
「俺はブルーだけが出るモンスターハウスを見つけたからこの数だけど、マリーはどうやってこんなに倒したんだ?」
「ん?私も同じ理由だよ?この階層にグリーンだけ出るモンスターハウスがあったんだー。」
その言葉を聞いて。俺は慌ててマリーを鑑定してみた。するとやっぱりノーマルドロップスキルがあった。スキルを獲得してからまだ1度もドロップが同時に出てないからきずいていないんだ。だが、俺は鑑定スキルを持っていないことになっているからみんなに言うわけにはいかない。そこで先生が言っていたことを思い出した。ギルドに行ったらみんなに鑑定ルームを使うように進めよう。
「今回の勝負でNは必要な数が揃ったがRが4個足りないようだ。今度はみんなで2階層を探索しよう。」
みんな同意してくれたので探索を再開した。2階層の転移の間に近いモンスターハウスは俺とマリーが討伐したので今日は復活しない。なので奥にある2つのモンスターハウスに行くことにした。今は勝負していないので道中出会ったスライムも全部倒していった。しばらくして合計Nが246個とRを4個手に入れた。
「これでクエストに必要なドロップ品がそろったな。早速ギルドに行こうか。」
みんなが同意したのですぐギルドに向かった。
ギルドにつくと先程とは違い人で溢れていた。
「すごい人です。この中を行くのはちょっと無理です。」
「そうだな。どうするか…。」
「あっ!ケント!少し離れたところに案内板があるよ?」
「本当だな。人もいないし行ってみようか。」
案内板を見てみると入口について書いてあった。建物には正面、右壁、左壁にそれぞれ入口があり全部で3つの入口がある。正面は総合受付、右は大量納品専用、左は依頼報告専用の入口らしいので俺達は右の入口から入ることにした。
「中は繋がっていないようだな。」
「あそこに階段があるです。2階は繋がってるかもです。」
「でも受付の中にあるから職員しか行けないのかもしれないな。」
総合受付の方は人が凄かったが、こっちの方は俺たち以外人がいなかったのですぐ受付に着くことができた。
「こんにちは、報告に来ました。」
「あらぁ〜、こんにちわぁ〜。クエスト票とぉ〜。納品依頼の場合はドロップ品も一緒に出してぇ〜。」
言われた通りのものをカバンから取り出してカウンターに置いた。
「あらぁ〜すごい量ねぇ〜、確認するからぁ〜ちょっと待っててねぇ〜。」
彼女は受け取ってすぐドロップ品を全部カウンターの奥にある機械に入れた。少し操作をして書類に何か書いている。最後にそれぞれの書類に判子を押した。言葉はのんびりしているが動きは早いようだ、ものの数分で作業を終わらせた。
「お待たせぇ〜。明細書ですねぇ〜。どうぞぉ〜。依頼料は学生手帳に振り込みましたのでぇ〜確認してねぇ〜。」
学生手帳を見るとちゃんと依頼料が振り込まれていた。
「そういえば自己紹介してないですね。俺はケントで右がマリー、左がリゼでその隣がメイです。全員1学年です。この時間に来ることが多いと思うのでよろしくお願いします。」
「そうなのぉ〜?私はアメリアよぉ〜。よろしくねぇ〜。皆さん全員新入生ですかぁ〜。こんな早い時間に来るなんてぇ〜すごいですねぇ〜。」
「すごいんですか?」
「そうよぉ〜。普通新入生は今の時間から依頼を受け始めるものぉ〜。この時間帯で報告に来るのは2学年以上の生徒でもぉ〜なかなかできることじゃないのよぉ〜。」
「なるほど、だから総合受付はあんなに混んでいたのか。
そうだ。アメリアさん鑑定ルームを使いたいのですがお願いできますか?」
「今の時間は全部空いてるからぁ〜大丈夫よぉ〜。これに記入してねぇ〜。」
鑑定ルーム使用申請書を渡されたので記入してからアメリアさんに返した。
「部屋番号は1番よぉ〜。あそこの階段上がってすぐのところよぉ〜。今の暗証番号は1188よぉ〜。間違えると番号変わるからぁ〜。その時はまた聞きに来てねぇ〜。使用後はドアロックボタンを押したらそのまま帰って大丈夫よぉ〜。」
「わかりました。」
お礼を言ってから俺達は2階に上がり鑑定ルームに入った。中は鑑定の儀の時に入った部屋と同じ作りだった。違うのは台に置かれているのが水晶じゃなく午前中に使った鑑定ボードなことだけだった。
「それじゃー、メイ、リゼ、マリー、俺の順番でやろうか。」
「いいよー。」
「了解です。」
「わかっ…た。」
使い方はクエスト活動の時に使ったやつと同じだった。
メイとリゼの確認は問題なく終わり次はマリーの番。鑑定結果を見たマリーは疑問の声を上げる。
「あれ?スキルが増えてる⁉︎」
「スキルが増えたです?良く見せてみるです。………本当です。増えてるです。」
「なんで増えたんだろ?」
「先生が言ってただろ特定の行動をするとスキルを獲得できるって。もっともどういう行動をすればスキルを獲得できるか、ほとんど分かっていないがな。」
「そういえば言ってたねー。」
「ノーマルドロップです。条件が分かれば私も欲しいです。マリー、条件に心当たりないです?」
「んー?ごめん。わかんない。」
「謝らないでいいです。わからないのが普通です。気にしないでくださいです。」
「次は俺の番だな。」
俺の鑑定結果を見てマリーが声を上げた。
「あぁー⁉︎ケントもノーマルドロップがあるー。」
「本当です。驚きです。」
「びっ…くり。」
「これは…スキルの獲得条件がわかるかもしれないです。マリーとケントで共通してやったことはあるです?」
「んー。そうだなー?モンスターハウスを1人で挑戦したのが同じかな?」
「そうです‼︎きっとそれが条件です。普通の人は1人でモンスターハウスに挑まないです。早速検証したいです。ダンジョンに行ってくるです。」
「待て待て。初級ダンジョンの魔物がいくら弱くても1人で行くのは危険すぎる。手出しはしないから俺も行くよ。」
「私も…行く。」
「私も私もー。」
「わかったです。一緒に行くです。」
「そうだ。鑑定できるものがあった方がいいだろ?借りれるかどうかアメリアさんに聞いてくるからちょっと待っててくれ。」
「あると助かるです。お願いするです。」
すぐにアメリアさんのところに行き話しかけた。
「アメリアさん鑑定ボードを借りることってできますか?」
「詳しく鑑定できる鑑定ボードは希少だから貸出できないけどぉ〜。一項目だけの鑑定カードなら貸出できるわよぉ〜。」
「一項目の鑑定カードですか?えっと…スキルだけ鑑定するのもあるんですか?」
「あるわよぉ〜。」
「じゃあスキルの鑑定カードを貸してください。」
「スキルの鑑定カードですねぇ〜。これに記入して待っててねぇ〜。」
そう言ってアメリアさんは奥にある部屋に入った。鑑定カード貸出申請書に記入しながら待つこと数分アメリアさんが名刺サイズのカードを持って戻ってきた。
「記入終わったようですねぇ〜。これが鑑定カードですぅ〜。どうぞぉ〜。」
カードをもらった俺はみんなのところに行き全員でダンジョンに向かった。
*スライムダンジョン*
ダンジョンについてリゼはすぐに1階層にあるモンスターハウスに挑戦した。俺達は邪魔にならないようにそしていつでも手助け出来るように準備して扉の所で待機している。リゼは危なげなく10分程で全てのスライムを倒した。
「早速鑑定するです。鑑定カードくださいです。」
「ああ。どうぞ。」
俺は胸ポケットから鑑定カードを取り出してからリゼに渡した。
「スキルが増えてないです。何か条件が足りないです。思い当たることないです?」
「そうだなー。そういえば、俺が挑戦したモンスターハウスはスライムの色が全部同じだったぞ。マリーはどうだった?」
「私?私の時も全部同じ色だったよー。」
「なるほどです。全く同じ種類の魔物を大量に討伐することが条件かもです。」
話し終わった俺達はすぐに2階層にあるモンスターハウスに行った。先程の戦いを見てリゼ1人で問題ないと判断し俺達は部屋の外で待つことにした。2回目だからか今度は5分程で出てきた。早速鑑定をしたリゼ。これでスキルが手に入ったと思ったが何故かリゼは落ち込んでいる。
「またないです。」
またスキルが獲得できなかったようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます