第13話ステータスボード

「ここが転移の間か。殺風景だな。」


「そうだね〜。洞窟の岩肌で丸い空間の中にポツンと宝玉があるだけだね〜。」


「確かに面白みがないです。」


「同…意。」


マリーが辺りを見渡してから言った。


「あれ?先生いないよ?」


「本当です。いないです。」


「とりあえず先に登録して置こう。」


みんなが宝玉に触って登録を終えたところで。


パアァァ


突然魔法陣が出現して中から先生が出てきた。先生は俺達がいるのを見てもの凄く驚いた顔をしている。


「っ⁉︎あなた達なんでもういるの⁉︎」


「ケントが1撃でボス倒しちゃったの〜。」


マリーの言葉を聞いて先生は驚愕しているようだ。目を見開いて俺を見て固まっている。ちょっと怖い。


「ケントさんマリーさんが行ったことは本当ですか?」


「えっ?はい、本当です。」


突然先生が近寄ってきて俺の肩をガシッと掴んで質問してきたので俺は慌てて質問に答えた。俺の返事を聞いてから少しして先生は落ち着きを戻して俺の肩から手を離してくれた。


「そうですか。種族がヒューマンの人が初めてのダンジョンでボスを1撃で倒したのはタイラー様以来初めて聞きました。先生なのに取り乱しちゃってごめんなさいね。肩痛くなかったかしら?」


「あっ、はい、大丈夫です。痛くなかったです。」


「そう、ならよかったわ。」


実は少し痛かったがそれを言うと先生が気にしそうだから言わないことにした。それにしてもさっきからよく聞くタイラーって誰だ?


「先生、リゼも同じことを言っていましたがタイラー様って誰ですか?」


「あら?あなたタイラー様を知らないの?」


「先生!私も知らないです!」


「俺達孤児院育ちなんです。タイラー様のこと聞いたことがなくて。」


「そう、孤児院育ちなら知らないかもしれないわね。タイラー様とはこの世界でただ1人Xランクの探索者になった方のことよ。」


「世界で1ってXランクの探索者ってすごいんですか?」


「ええ、凄いわ。タイラー様は1万年前に実在した人物で1人で10つのS級ダンジョンを踏破してXランクになりパーティーメンバーと踏破したS級ダンジョンは数知れず、沢山のS級ドロップ品を世に与え、その時代はまさに黄金時代だったと言われているわ。その後探索学園を創立して初代学園長になったの。20年学園長をしたのち忽然と姿を消しその後のことは誰もわからないの…いまでもどこかでいきているのではと思われているわ。ちなみに代々学園長になっているのはタイラー様の子孫なのよ。」


「ふへ〜すご〜い。」


「初日だけでこんなに凄いことをするなんてケントさんはこれからもいろんなことをやりそうね。先生心構えをしておかなきゃ。」


「いやいや!そんなことないと思いますから心構えをしなくていいですよ‼︎」


「ケントはきっと凄いことをするよ!」


「私もそう思うです。」


「私も…思う。」


「いやいや!なんでみんなも同意してるの⁉︎」


パアァァ


みんなで押し問答しているとまた魔法陣が出現した。どうやら他のチームもボスを討伐したらしい。現れたのはアークチームだった。


「なっ‼︎なんでお前達が先にいるんだ⁉︎」


確かアークだったか俺達がいるのを見てとても驚いている。他のメンバーは何も言わなかったがアーク同様に驚いた顔をしている。


「いやなに。眷属を呼び出される前に倒したからねそんなに時間がかからなかったんだよ。」


俺が一撃で倒したことは伏せて事実を教えてやった。


「なに?そんなことが可能なのか?俺達が全員部屋に入ったらすぐにボスは眷属を召喚したぞ?」


「入口から少し離れたです?扉が閉まっても入口から1メートル以内にいるときボスは攻撃を開始しないです。」


「そうなのか。俺達は一列になって入ったからな〜扉が閉まった時には一番最初に入った奴は1メートル超えてたな。なるほど今度からは入ったら横に移動して待つようにするよ。参考になったありがとう。」


「どういたしましてです。」


礼を言ってからアーク達は宝玉に登録しに向かったとき最後のチームがやってきた。マイアチームもアーク達と同じようになったので同じ対応をした。全部のチームが登録をしたの確認して先生は話し始める。


「それでは各チームのリーダーはクエスト票とドロップ品を提出してください。」


クエスト処理をし報酬の小銀貨2枚を全員に配り終えた先生は帰還方法の説明を始めた。


「これから宝玉の使い方を説明します。アークチームは全員宝玉に触れてください。……全員触っていますね。今宝玉に触れている人には目の前に選択肢が表示されていますね。行きたい階層今回は0階層を空いている手で選択してください。0階層を押すとすぐに入り口に転送されます。先についたチームはその場で待機してください。」


アークチームが転移したのでマイアチームが転移して次に俺達が転移をする。入り口に着くとすぐに先生も転移してきた。先生は全員がいるのを確認してから俺たちを先導して教室に戻った。教室に入ると黒板の近くに高さ2.5m横1.5m奥行2mの黒色の四角いテントが設置してあった。俺達がダンジョンに行っている間に他の先生がテントを設置したようだ。アル先生が担当しているチームはまだ帰ってきていないみたいだ。テントの前に行ってから先生は説明を始めた。


「それでは最後にステータスの確認について説明しますね。本来ならギルドの確認ルームで行うことですが、クエスト活動の時は先生が確認ができるアイテムを所持しているのでそれを使ってもらいます。確認したい時は先生に言ってください。それではアークチームから確認するので1人づつこのテントの中に入って確認をしてください。全員のステータス確認が終了したら本日のクエスト活動を終わりにします。」


俺の番になったので入ってみると、テーブルの上に使い方のメモとダブレット端末みたいなものが置いてあった。


(なになに?タブレットみたいなものはステータスボード中というアイテムで手を乗せて光ったら測定完了。確認が終わったら1番下に表示してある削除マークを押すとデータが消えるわけね。よし、早速やってみよう。)


ステータス

名前ケント 性別 男 種族 ヒューマン

LV 13

HP 1250/1250

MP 1250/1250

SP 130/130

筋力132 速度138

攻撃力

・物理135 ・魔法136

防御力

・物理135 ・魔法139

スキル

・ノーマル

剣術LV1 魔法:土LV1 魔法:回復LV1

・ユニーク

簡易地図


(あれ?表示されてる項目が少ない?なんでだ?)


(ステータスボードは特大〈テレビ型〉・大〈パソコン型〉・中〈タブレット型〉・小〈スマホ型〉・極小〈カード型〉がありそれぞれ測定できることが違います。大きさが大きいほど測定できることが増えるので、スキルの詳しい説明も見れるようになります。特大だとマスターが鑑定した時と同じステータスを見ることができますよ)


(俺のLVは か他のメンバーのLVはどうなってる?)


(他のメンバーのステータスを表示します。)


名前 マリー性別 女 種族 ヒューマン

年齢 10歳 職業 なし 体調 好調

LV 9

HP 770/770

MP 770/770

SP 90/90

筋力 87 速度 97

攻撃力

・物理 82 ・魔法 94

防御力

・物理 96 ・魔法 100

スキル 

・ノーマル

料理LV3(10/30) 魔法:水LV1(1/10) 魔法:火(1/10) 弓術LV1(4/10)

・ユニーク

コテージLV1(9/100)


名前 リゼ 性別 女 種族 ヒューマン

年齢 10歳 職業 なし 体調 好調

LV 9

HP 770/770

MP 770/770

SP 90/90

筋力 72 速度 97

攻撃力

・物理 81 ・魔法 86

防御力

・物理 96 ・魔法 98

スキル 

・ノーマル

投擲LV1(4/10) 短剣術LV1(4/10) 罠探知LV1(1/10) 罠解除LV1(1/10) 隠密LV1(1/10)


名前 メイ 性別 女 種族 ヒューマン

年齢 10歳 職業 なし 体調 好調

LV 9

HP 850/850

MP 850/850

SP 90/90

筋力 68 速度 96

攻撃力

・物理 68 ・魔法 70

防御力

・物理 93 ・魔法 97

スキル 

・ノーマル

魔法:回復LV1(1/10) バフLV1(9/10) デバフLV1(2/10) 回避LV1(4/10)

・ユニーク

レアドロップLV1(4/100)


(俺のLVもみんなと同じにしてっと、これで大丈夫かな?)


(問題ないと思います。実力はどうしますか?擬装がLV10なので実力も擬装されたステータスと同じに制御することができます。)


(え?できるのか。じゃあお願い。)


(かしこまりました。)

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