第12話初めてのボス
「それでは皆さん本日最後のクエストについて説明します。まずクエスト票を配ります。……今回のクエストは1階層のボスを討伐とボスを倒した時に出るドロップ品を納品するクエストになります。」
○クエスト票
場所
学園都市
スライムダンジョン
依頼内容
1階層のボスを1体討伐
ボスのドロップ品を納品
条件
4/10までに納品する
報酬
小銀貨2枚
依頼者
探索学園
「今回のクエストは期限があるタイプです。ちゃんと期間内に達成できるか確認してから受けるようにしてください。クエストを失敗するとペナルティーがあります。軽い場合は無償で数回クエストを受ける程度ですみますが重い場合はランク降格やギルド除名になることもありますので慎重に身の丈に合ったクエストをうけるようにしてください。それではボス戦について説明しますね。ボス部屋にはその階層で出てきた魔物がLV最大で出てくるか上位種がボスとして出てきます。今回はゼリースライムリーダーになりますね。ボス戦は基本的にはチーム対ボス1体になりますが、眷属召喚のスキルを持っているボスの場合は眷属(下位の魔物)を召喚してチーム対ボス+眷属多数と戦うことになります。今回のボスは召喚スキルを持っているので眷属がいっぱいになる前に倒すのをお勧めします。ボス部屋は即席型と期間型の2種類あります。即席型はボス部屋に人が入ると別空間につながっています。一度扉が閉まると1分程で新しい空間が作られます。なので次の人もすぐにボスに挑戦することができます。扉の上にある宝玉が赤の時は扉が開きません青になったら入れるようになります。期間型は1度討伐すると一定の期間が経過しないとボスが再出現しません。ボスがいない間ドアが空いた状態で固定されているのでボス部屋は素通りできます。ボス部屋はドアが閉まると帰還石を使うか、ボスを倒すまで出ることができないので、挑戦する前に必ず帰還石の準備をしてから挑戦するようにしてください。今回は学園が用意した物を渡します。使用したら必ず補充するようにしてください。補充しないでボスに挑戦して亡くなる方が大半です。皆さんはそうならないようにして下さいね。帰還石は魔法具屋で購入できます。学生の場合は学園にある購買でも購入が可能です。学生の場合は3割引してくれるので学園にいる間はこちらで購入したほうがお得です。」
そう言って先生は帰還石を1個づつ配った。
「ボスを倒すと魔法陣が出現します、そのあと魔物が出現することはありません。出現した魔法陣に乗ると次の階層に行くことができます。時間制限などはないのでボスを倒した後、休憩してから進むことが多いですね。次の階層に着いたらすぐ近くに宝玉があります。2階層からは各階層に宝玉が設置されていますので触ってください。宝玉に触ると登録がされます。同じダンジョン内の登録したことのある宝玉間で転移することができますので、見かけたら必ず登録するようにして下さい。宝玉がある空間は[転移の間]と呼ばれています。先生は2階層の転移の間で待っていますね。それではチームアークから順番に入ってください。………チームマイア入ってください、………チームケント入ってください。」
俺達の番が来たので先生と別れて扉をくぐった。ボス部屋の中は体育館ほどの広さがあり、真ん中にゼリースライムリーダーが1体いた。ゼリースライムの大きさは直径20cmだったが、ゼリースライムリーダーは直径40cmで大きさが2倍になっている。
「あれ?私達が入ってきたのに襲って来ないね?」
「入ってすぐは襲って来ないです。入り口から離れると襲ってくるらしいです。」
「なるほどー。リゼは色んなこと知ってるね!すごーい。」
「凄くないです。ただ予習をしてきただけです。」
「ほえー。すごいよ。私なんか全然予習しようなんて思わなかったもん。」
「リゼ…凄い…かなり…先まで…予習…してる…敵わ…ない。」
「こっ、この話は終わりです!ボスをどうするのか決めるです!」
リゼは顔を真っ赤にして慌てて話題を逸らした。
(メイティス、ボスのドロップは仕組みがちがったりするか?)
(はい、違います。ボスの場合は討伐個数ではなく確率になります。そしてSR以上確定になります。SRは89パーセントURは10パーセントLRは1パーセントの確率でメンバーの数ドロップします。ボスの場合でもドロップ系スキルは有効です。)
(ドロップ系スキルも有効なのか早めに取得したほうがいいな。)
(それでしたら、このダンジョンの1番最初の空間はゼリースライム(ブルー)しか出現しないのでそこで試すのが宜しいかと。)
(わかった、今日の午後にやってみるよ。そういえば、ボスが召喚した魔物を倒した時はドロップするのか?)
(いいえ、ドロップしません。召喚スキルで出現した魔物は本物の魔物ではありません。SPを使って作った実体を持った分身のようなものです。なのでボス部屋はボスを倒した時に人数分のドロップ品を落とすだけです。経験値も有りません。)
(そうか。なら早く倒したほうがいいな。)
「みんな、今思い出したけど。ボスが召喚した魔物はドロップ品を落とさないらしんだ。だから速攻で討伐しよう。」
「そうなの?わかった。」
「了解です。」
「いい…よ。」
「まずはメイに速度アップのバフを全員にかけてもらい俺が特攻して次にリゼ、そしてマリーは弓で援護をお願い。」
指示を出したらみんなが賛成したので俺達はすぐボスを討伐すべく行動を開始した。メイにバフをかけてもらったので俺はすぐゼリースライムリーダーに向かって走っていき剣を一閃した途端。なんと一撃でゼリースライムキングを倒してしまった。
「なっ⁉︎」
「「「えっ⁉︎」」」
一撃で倒せるとは誰も思わなかったのでみんな驚いて固まってしまった。
(メティス、どう言うことだ?ボスなのに一撃で倒してしまったぞ?)
(それはマスターのレベルが上がってステータスが高くなっていたからです。ボスを倒す前のボスのステータスとマスターのステータスを表示しますね。)
種族 ゼリースライムリーダー
LV 1
HP 100/100 MP 100/100 SP 100/100
筋力 10 速度 10
攻撃力
・物理 10 ・魔法 10
防御力
・物理 10 ・魔法 10
スキル
・ノーマル
跳躍LV4(0/40)体当たりLV5(0/50)高速回転LV3(0/30)
隠密LV3(0/30)魔法:水LV2(0/20)
・ユニーク
眷属召喚
名前 ケント 性別 男 種族 ヒューマン
年齢 10歳 職業 なし 体調 好調
LV 13
HP 1250/1250
MP 1250/1250
SP 130/130
筋力 132 速度 138
攻撃力
・物理 129 ・魔法 136
防御力
・物理 135 ・魔法 139
スキル
・ノーマル【HP回復速度上昇LV1(0/100)
MP回復速度上昇LV1(1/100)
SP回復速度上昇LV1(16/100)】剣術LV1(3/10)【教師LV1(0/10)】〈魔法:土LV1〉〈魔法:回復LV1〉 ・ユニーク 【耐性:全LV1(1/100)
魔法:全LV1(1/100) 治療魔法LV1(1/100)】〈簡易地図〉
・エクストラ 【経験値増加LV3(276/300) 熟練度増加LV1(30/100) 重力魔法LV1(1/100)】
・ギフト 【前世の記憶 メティス(料理、調薬、付与魔法、合成、鑑定、解析、擬装、転移、ストレージ、マップ、叡智の書、創造魔法)】
(ボスに挑む前にマスターは11LV上がっていました。ボスのHPが100で防御力が10、マスターの攻撃力は119なのでボスに109のダメージがありました。そのため一撃で倒れたのです。ちなみに他のメンバーは8LV、アークチームは5LV、マイアチームは3LV上がっていますが一撃で倒せるのはマスターだけです。)
(えっ⁉︎おれだけなの?みんな、変に思わないかな?)
(大丈夫だとおもいます。)
ちらっとみんなを見てみると。
「すごーい‼︎ボスを一撃で倒すなんて、流石ケントだね。」
「流石ケントです。ダンジョン初日でダンジョンボスを倒すの幻のXランクのタイラー様以来です。きっと凄い探索者になるです。」
「すご…い。」
(えっ⁉︎みんなそんなに驚いてないみたいだけどなんでだ?)
(マスターと一日過ごしてマスターならあり得ると思われているのかもしれませんね。)
(えっ⁉︎ そんな理由?まー、騒がれなくてよかったよ。)
みんなに異常者に思われなくてよかった。ホッとした俺はみんなに話しかけた。
「すまないみんな。ボスとの初戦闘、俺だけで倒してしまった。」
「大丈夫です。今日すでに一杯魔物倒してるです。かなり経験になってるです。」
「そうだよ〜。気にしないで〜。」
「問題…ない。」
「そうか。ありがとうみんな。」
(そういえばメティス。さっきステータスを見た時SP減っていなかったけどなんで?今もメティスと話してるしさっきも剣術使ったから減ってるはずだよね?)
(まず最初にギフトは神からの贈り物の意味をしており発動をしてもSPは消費しません。スキル欄に表示されていますが別物と思ってください。次にその他のスキルですが、スキルには常時発動型と短時発動型があり、常時発動型は最初に発動する時のみSPを使用します。短時発動型は使用するたびにSPを必要としますね。今MPとSPが減っていない理由ですが、LVアップした時に全ステータスが回復したので減っていないのです。)
(へ〜、LVアップすると回復するのかすごく助かる仕様だな。)
パアァァ
お?入口と反対側から光が見える、魔法陣が出現したようだ。
「みんな、魔法陣が出たみたいだ。ドロップ品を拾ってから行こう。」
「は〜い。ドロップ品は何かな?」
「スライムゼリーが40袋です。」
「スライム…ゼリー…とても…おい…しい。」
スライムゼリーをリュックに入れて俺達は魔法陣に乗りボス部屋を出た。
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