第11話大量のドロップ
通路を抜けると先程と同じような空間だったが8色のスライムがあちこちにいた。先に来ていた連中はすでに戦っているみたいだ。スライム達を鑑定してみるとLVは1〜5までいるみたいだ。
俺たちも早速討伐を始めたけど1体づつ倒すうえにスライム達は1体づつばらばらに離れているので物凄く効率が悪い。
(4人バラバラで討伐をしているけどこのままだとあまりスライムを狩れそうにないな〜何か効率的なやり方はないかな〜?)
(マスターに提案します。)
(っ⁉︎メティスか、提案ってなんだ?)
(もう少し先に進むとモンスターハウスがあります。100体ほどのスライムがいますので一気に討伐が可能です。マスターの地図を見て気づいたように装えばよろしいかと。)
(なるほどその方法でやってみるよ。)
「みんなちょっと来てくれ。俺のスキルで地図を召喚したんだけどここを見てくれ。ここだけ他の空間と形が違うんだ。それでこれはモンスターハウスじゃないかと思うんだけどみんなはどう思う?」
「本当だ〜ここだけ綺麗な四角だね。」
「私もモンスターハウスだと思うです。教科書で見た洞窟タイプの地図のモンスターハウスの形にそっくりです。」
「私も…そう思う。」
「じゃあ今から行こう。」
みんなの同意を得て俺達はモンスターハウスに行くことにした。
「ここだな。今までと違って扉があるな。」
「木製の扉みたいだねー鍵もついてないみたいだよ?」
「教科書に載っている内容と同じです。モンスターハウスで決定です。」
「うんうん」
「それじゃー昨日の練習どうりで行くぞ!」
全員メイにバフをかけてもらってから扉を開けて俺が先頭をきって入って行く。流石最弱の魔物である。ものの数分で全滅させることに成功した。10分経つとドロップ品が消えるので俺達は慌ててドロップ品を回収して回った。
「ふう〜危なかったもう少しでドロップ品がいくつか消えるところだったぜ。」
「本当だよー数が多すぎー確実に100体はいたよー。」
「今思い出したです。モンスターハウスはドロップ品が消えるまでの時間が増えるんです。」
「30分…だった。」
それを聞いて俺とマリーは固まった。
「まーなんだ、今回のことでいい教訓になったよ。今度からはちゃんと事前確認をしっかりしてから行動しよう。」
「そだねー、今回はドロップ品についてだからよかったけど。モンスターのことや罠だったら大変だもんねー。」
「そうです。私もよく考えてから行動するように気をつけるです。」
「うんうん」
俺達は少し休憩してから探索を再開することにした。
今後別行動をすることもあると思い人数分の地図を用意してみんなに渡した。現時点で知っている情報を出し合いそれぞれ自分の地図に書き込んで行く。
「地図を作るに初めてだけど結構楽しいかも。」
「ダンジョンを探索するとき地図はとても大事です。迷子になってしまったら死ぬ可能性が高くなるです。ギルドで地図を買って探索するのが一般です。」
「リゼの言う通りだな。最初に行くダンジョンでは俺の簡易地図だと道が判ってもどこに何があるかは分からないからな。その点ギルドの地図は今までの探索者が集めた情報が全て書いてあるからなとても頼りになる。」
「情報…高い。」
「メイの言う通り高いんだよなー。まあランクが低いダンジョンなら俺の地図だけでも結構役に立つからな、しばらくは俺の地図で我慢してくれ。」
「そんなことないです。スキルで作った地図の方が地形が正確なので助かるです。リゼはケントが作った地図の方がいいです。自信持つです。」
「そうか、ありがとうリゼ。…さて休憩はここまでにして探索を再開しよう。」
みんなが頷いたので俺たちは探索を再開した。
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ん?少し先に先生がいるのを発見した。まだ集合時間20分前だが俺達はボス部屋のところまで探索を終えてしまったみたいだ。
こちらに気が付いた先生が話しかけてきた。
「あら?随分と早く来たんですね。もういいんですか?」
「はい、大丈夫です。マリー、ドロップ品を出してくれ。」
「はーい♪コテージ発動♪」
あの後さらに2つのモンスターハウスに挑戦した。大量にあったドロップ品は俺たちのリュックには入りきらなかったのでマリーのスキルコテージの中に入れてもらったんだ。
「っ⁉︎…ず、随分とドロップ品が多いですね。どうしたんですかこれ?」
先生は顔を引き攣らせながら質問してきた。
「えっと、俺達ここに来るまで3つのモンスターハウスに挑戦したんです。」
「1階層にある全てのモンスターハウスを見つけたんですか⁉︎」
「はい、俺のスキル地図があるんですけど。リゼが教科書に載ってた地図のモンスターハウスの形と俺の地図にある四角い場所が同じだと言ったので、実際に行ってみたら本当にモンスターハウスでした。なので他の2箇所にも行ってみたんです。」
「なるほど、ケントくんは地図持ちでしたね。なら納得です。では、クエスト票をください。ドロップ品はこのアイテムボックスの中に入れてもらっていいですか?」
「わかりました。」
クエスト票を先生に渡して俺達は手分けしてドロップ品を箱に入れた。
「よしこれで終わりだな。300以上はあったよな。」
「そだね〜あると思うよ〜。」
「スライム討伐するよりもドロップ品が原因で疲れると思わなかったです。」
「同…意」
俺達が疲れた顔して雑談していると先生が話しかけてきた。
「お疲れ様。全部収納し終わったようですね。記録カードとアイテムボックスを渡してもらっていいかしら。」
「はい、これとこれですね。どうぞ。」
「ありがとう、早速確認しますね。…これはっ⁉︎」
先生はかなり驚いたようでメガネがズレて落ちそうになっている。
「こほんっ!査定が終わりました。スライムの討伐数が384体で11520円、ドロップ品は寒天が380個ゼラチンが18個で16920円、合計28440円になりますね。個別払いと全額払いどちらにしますか?」
「個別払いでをお願いします。」
「明細書と報酬です。どうぞ。」
俺達は1人1つづつ小袋を受け取って中を見る。中には小銀貨7枚大銅貨1枚銅貨1枚が入っていた。
(ふむ、買取額は寒天が30円で、ゼラチンが300円か。メティスなんでこの値段なのか教えてくれ。)
(値段の決め方は以下の通りになります。
ギルドでクエストを受けた場合
売値10割=探索者5割+ギルド2割+お店3割
依頼料10割=探索者8割+ギルド2割
学園でクエストを受けた場合
売値10割=学生3割+学園2割+ギルド2割+お店3割
依頼料10割=学生6割+学園2割+ギルド2割
となっています。)
(そういえば税金はどうなるんだ?)
(税金はギルドランクとギルドによって違います。探索者ギルドは1か月間ギルドで稼いだ金額の何割かを月末に支払うようになっています。割合はH級1割、G級1割、F級2割、E級2割、D級3割、C級3割、B級2割、A級1割、S級以上免税になります。)
(ん?ランクが低いと安いのはわかるけどなんで途中からランクが上がるほど税金が安くなるんだ?)
(それはランクの高い人たちを国に留めておくためです。高ランクダンジョンのドロップは凄く有用な物が多いのですが探索ができるランクの高い人は少数なので凄く優遇されています。X級になれば国王と同等の権限が行使できる爵位が与えられ、どの国も出入りが自由な上に国王にも簡単に謁見できます。爵位が与えられるランクは以下になります。
A級男爵
S級子爵
SS級伯爵
SSS級侯爵
X級王爵(国を持っていないけど国王と同等の権限のある爵位)
因みに現在の王国の探索者ギルドにはそれぞれ大体H級3000人G級7000人F級12000人E級350000人D級940000人C級150000人B級46000人A級100人S級20人SS級6人SSS級0人X級0人が在籍しています。)
(ランクが高い人は少ないんだな。)
(探索には命がかかっていますから、慎重になりすぎて進めない人や無茶をして命を落とす人が多いのでどうしても高ランクの人は少なくなってしまうんです。)
(そういえばランクの昇格条件はどうなってるんだ?)
(探索者ギルドの昇格条件は以下になります。
F級-F級魔物1体を1対1で倒す
E級-E級魔物1体を1対1で倒す
D級-D級魔物1体を1対1で倒す
C級-C級魔物1体を1対1で倒す
B級-B級魔物1体を1対1で倒す
A級-A級魔物1体を1対1で倒す
S級-S級魔物1体を1対1で倒す
SS級-S級ダンジョンをパーティで踏破
SSS級-S級ダンジョンを1人で踏破
X級-S級ダンジョンを10個1人で踏破
因みにこのダンジョンにいる魔物は最下層のボスを除いて全てH級になります。)
(なるほど、勉強になったよ。)
メンバー達を見ると先ほどまで子供にとっての大金を見て大興奮していたが今は落ち着いたみたいだ。10分程待っていたら他のチームもやってきた。アークチームは160体どうやらモンスターハウスを1つ見つけたようだ。
チームは75体、こちらは平均的らしい。俺達は4人だけで平均の5倍以上みたいだ。道理で先生が驚くわけだ。クエスト処理と買取も終わり、先生が次のクエストについて話し始めた。
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