第10話初めてのダンジョン

「それではチームケント、チームアーク、チームマイアは私と、チームワール、チームロイド、チームカレンはアルフォード先生と一緒になります。」


「俺担当のチームはこっちに来い。」


「私担当のチームはこっちに来てください。」


俺達はメルシー先生の元に集まった。


「今日は初めてのクエストなので1番簡単な依頼です。

依頼内容は


◯クエスト票


場所

学園都市

スライムダンジョン

依頼内容

ゼリースライム×チームメンバーの数討伐してドロップしたアイテムを納品してください 

条件

なし

報酬

メンバー数×銅貨1枚

依頼者

探索学園


ですね。これがクエスト票になります。」


説明が終わった先生はチームリーダーに1枚づつクエスト票を配った。


「クエスト票にはチーム名と受注印が押されています。これがクエストを受けている証明書になります必要な時は提示してください。クエスト完了報告する時に必要なので無くさないようにしてください。無くしてしまうとクエストを達成していても報酬がもらえなくなってしまいます。なのでリーダーが責任を持って保管してください。今回のクエストはたとえドロップ品の数が多くても、レア度が高くてももらえる報酬は変わらないタイプです。なのでクエストを受ける時はしっかり内容を確認してから受注するようにしてください。クエストを受注した後に気づいてもキャンセルや変更はできないです。クエストを完了できなかった場合は罰則がありますので気をつけてください。特例として災害や重症の怪我などのやむおえない事情でクエスト続行ができなくなった場合は速やかにギルドに報告してください。ギルドが確認して問題がなければキャンセルできます。それではH級ダンジョンに行きます。着いてきてください。」



*H級ダンジョン前*


「発見されているダンジョンの入り口前には必ず騎士が居ますのでギルドカードを提示してどのくらい探索する予定なのかも伝えます。皆さんの場合は学生証を提示してください。先生が実際にやりますので皆さんも真似してください。」


そう言ってから先生は騎士のところに向かった。


「ギルドカードの提示をお願いします。」


「どうぞ」


「どのくらい探索する予定ですか?」


「半日です。」


「ギルドカードを返しますね、中へどうぞ」


「ありがとうございます。」


俺達も学生証を提示してからダンジョンに入った。


ダンジョンの入り口から入ると洞窟になっていた。しばらく歩くと広い空間に出た。あっちこっちでスライムが跳ねているのが見えた。


「このH級ダンジョンはスライムしか居ないダンジョンです。1階層ごとにスライムのLVが10上昇します。1階層はLV1からLV10のゼリースライムがいますが入り口付近の魔物はその階層で1番LVが低いです。ここにはLV1のゼリースライムがいるので全員1階づつ倒してみてください。注意しないといけないのはドロップ品は10分経過するとダンジョンに吸収されるので忘れずに拾ってください。終わりましたら私のところに来てドロップ品とクエスト票の提出をお願いします。本来はギルドでおこなうことですが、クエスト活動の時は先生がギルドの代わりになります。それでは各チームで行動してください。」


「俺たち全員初めての実践だから1人が挑戦して他の3人で援護しよう。俺→マリー→リゼ→メイの順番で行こう。」


「いいよー。」


「いいです。」


「うんうん。」


相談が終わるとちょうど1体のスライムがやってきた。


ゼリースライムを鑑定してみた。


ステータス

種族 ゼリースライム・ブルー

LV 1

HP 5/5 MP 0/0 SP 10/10

LV 1

筋力 1

速度 1

攻撃力

・物理 1・魔法 1

防御力

・物理 1・魔法 1

スキル

跳ねるLV3(19/30) 体当たりLV1(1/10)


ステータス低っ!攻撃スキル体当たりだけかよ!流石最弱の魔物だな。


ゼリースライムは物理耐性がないので俺は剣を抜いて切りかかった。


あっさり1撃でスライムを倒すことができた。


ポンッ!ポト


ドロップ品はNの寒天10gだった。パッケージの見た目は日本の物と似ているが真ん中に大きく寒天10gと書いてあるが裏面には何も書かれていない。開封するとパッケージは消滅するらしい。ゴミが出ないなんて非常に便利でエコである。


「すご〜い、1撃で倒しちゃった、さっすがケント。」


「そんなことないよ、みんなも1撃で倒せると思う。やってみて。」


「分かった。やってみる。…んー、いた‼︎」


マリーは少し離れていたスライムを見つけた。


「いっくよー。」


シュッ、トスン、ポンッ、ポト


マリーも見事に弓の1撃で倒した。寒天を1袋ドロップしたようだ。


「うわ〜本当にできた〜やった〜。」


「次は私の番です。やるです。」


リゼも少し離れているスライムに駆け寄り短剣で一突きして倒した。ドロップはやっぱり寒天1袋だった。


「できたです。次、メイです。行くです。」


「…やる…」


メイは棒を持ってスライムに駆け寄るとスライムを殴打して1撃で倒した。


「あれ?リゼ。」


「なんです?」


「メイはさっきまで武器を持っていなかったよな?あの棒どこにあったんだ?」


「あれは折り畳み棒で、普段は折り畳んでリュックの中に入れてるです。補助の人達は殆どあの武器を使うみたいです。」


「へ〜そうだったんだ。教えてくれてありがとうリゼ。」


「どういたしましてです。」


ポンッ、ポンッ、ポト、ポト


「っ⁉︎」


どうやらドロップが2つでたようだ。メイはドロップ品を持って慌てて戻ってきて俺達に見せた。寒天10gとゼラチン1kgのようだ。


「ドロップ…2つ…しかも…違う…どうして?」


「あっホントだー。なんで?」


「本当です。不思議です。」


「ああ、それなら原因はスキルレアドロップがあるからみたいだ。昨日図書館で調べたらスキルドロップの能力説明を見つけたんだ。能力はスキルLV×10の確率でもう1つNランクをドロップするみたいだ。そしてレアとはRランクのことらしい。だからメイの場合はレアがついているからスキルLV×10の確率でもう1つRランクをドロップするんじゃないかな。しかもこのスキル本人だけじゃなくて半径10m以内にいるパーティーメンバーにも適用されるらしい。」


「っ⁉︎」


「すごいです。ドロップが増えるなんてかなり有用です。いっぱい稼げるです。おじさんに認めてもらえるです。」


「うん。」


「おじさんに認めてもらえるってどういうことだ?」


「私とメイは探索学園を卒業したら2人でパーティーを組んでダンジョンで稼ぐのが夢だったです。でもおじさん…メイのお父さんは危険な上に稼ぐのが難しいから反対しているです。これなら等級が低いダンジョン危険無くいっぱい稼げるです。おじさんもさんせいするはずです。」


「そっか認めてもらえるといいな。」


「うん。」


「さて、みんな1回づつ倒したし先生のところに行こうか。」


「はーい♪」


「了解です。」


「うんうん。」


みんなの了承がもらえたので先生の所に行くことにする。


「先生ケント班1人1体づつ討伐完了しました。」


「ケント班ですね。ではドロップ品とクエスト票の提出お願いします。」


「わかりました。」


俺はクエスト票とドロップ品を全部先生に渡した。


「ん?1つ多いですね。」


「はい、メイのスキルレアドロップの能力でRランクのドロップが出たんです。」


「なるほどレアドロップの能力は増加系スキルでしたか。でもごめんなさいね、今回はドロップ品込のクエストだから報酬額は変わらないの。」


「いえ、説明されていたので大丈夫です。」


「はい、これが任務の報酬と明細書です。チームで分配してください。」


先生はクエスト票に判子を押してから報酬を俺に渡してきた。


「ありがとうございます」


報酬を受け取ってから先生に礼を言って俺はみんなに話しかける。


「それじゃあ、報酬を分配するぞ。」


袋を開けると銅貨が4枚入っていたので1人1枚渡した。


「うわーい初めての自分のお金だー。」


「私も初めてです。うれしいです。」


「うれ…しい」


みんな初めての自分のお金なので大興奮である。俺は前世の記憶があるので淡白な反応になってしまったが。


「次のクエストを発表しますので近くに来てください。」

他のチームも終わったようだな。


「次のクエストは


◯クエスト票

場所

学園都市

スライムダンジョン

依頼内容

1時間1階層にいるスライムを討伐する。

条件

なし

報酬

スライムの数×銅貨1枚

依頼者

探索学園


です。今回のクエストは討伐タイプなのでドロップ品は別にギルドの買取場に持って行ってください。クエスト活動のときは買い取りも先生がやることになりますのでクエスト報告と一緒にドロップ品も渡してください。それではみなさんに記録カードを配ります。」


そう言って先生はみんなにカードを配った。カードは白で真ん中に黒で探索学園NO.105と書いてある。


「このカードは魔物の討伐数を自動で記録してくれるマジックアイテムになります。結構高価なので壊したり無くしたりしないでください。賠償金は大銀貨5枚になります。今回のクエスト中先生は1階層奥のボス部屋前で待機しています。1時間後…今は10時ですね11時10分までに先生の所に来てください。それでは開始っ‼︎」


他のチームはすぐ入り口と反対にある通路にむかって走って行った。それを見て俺たちは驚いた。


「何もそんなに急がなくても…じゃあ俺たちも行こうか。」


「りょうかーい。」


「はいです。」


「了…解。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る