第5話入学

*第7ホール入り口*


ん?入り口に人がいるな。


「すみません俺達説明を聞きに来ました。」


「希望者ですね。これに名前、年齢、住所の記入お願いします。」


入園申請書を渡されたので必要事項を書いてから受付の人に渡した。


「はい、ありがとうございます。こちらが案内書と制服になります。中に入ったら55番と56番にお座りください。」


「わかりました、ありがとうございます。」


しばらくすると壇上に人がやってきた。スマートな体型でオレンジ色の髪をした男性だ。結構イケメンである。


「皆さんお集まりいただきありがとうございます。私は探索学園で1学年の総合担任をしているA級探索者のマルクスですよろしくお願いします。…それでは早速説明を始めます。皆さん既にご存知と思いますが探索学園は5学年あります。そして1学年がH級、2学年がG級、3学年がF級、4学年がE級、5学年がD級の探索者レベルの実力を身につけられます。1学年で学園を卒業することもできるし、5学年まで進級してから卒業することもできます。本来なら成人…つまり15歳にならないとギルドに加入して探索者になることができませんでした。ですが、探索学園を卒業できればその場で探索者になることができます。1学年卒業者はH級探索者カードを5学年卒業者はD級探索者カードがもらえます。H級は初心者、E級までが見習い、D級でやっと一人前です。探索学園ができるまではF級になる前に半分の人は死んでいました。早く探索者になりたい人は1学年で卒業する人が多いですが先生としては基礎知識を全部勉強し終わる3学年までは進級したほうがいいと思います。探索学園は魔法学・武術学・スキル学・教養学・ダンジョン学・生存学・魔物学のことを学びます。そして進級の方法は3つあります。それは一年に一度ある進級試験に合格する方法と、 3人の先生に推薦してもらってできる特別進級試験、最後に学園内で受けられる1つ上のランクのクエストを1人で達成する方法です。

……クラスわけは……

……男子寮は……

……女子寮は……

……食事は……

………最後に入学費はありませんが教材費と進級費があります。教材費は1年ごとで先払いなので最初の1年分は入学までに支払いをしてください。詳しいことは案内書に書いてありますので入学までに読んでください。説明は以上になります。皆さんと学園で会えるのを楽しみにしています。」


俺は孤児院出身だから最初の1年分は国が負担してくれるがそれ以降は自分で支払わないといけない。2年目からはどうするかというと1年目の時にクエストを受けて稼ぐしか方法はないようだ。



あっという間に1週間が過ぎ今日【創暦4570年4月5日〈土曜日〉】は入学当日。俺とマリーは馬車に乗って学園都市までやってきた。


「門から学園まですっごく遠かったね。」


「学園都市は全部の学園と各種ダンジョンが多数あるからな、俺たちが住んでた王都の2倍はあるらしいぞ?」


「そうなんだねー、買い物行くだけで大変そー。」


「学園内でも買い物できるみたいだぞ?後で見にいこうぜ?」


「本当?行く行くー。」


「おっ!受付に着いたみたいだぞ。」


受付には数人しか並んで居なかったからすぐに順番が来た。


「次の方どうぞー。…名前を教えてください。」


「マリーです。」「ケントです。」


「はい、マリーさんとケントさんですね。お2人とも1学年Aの2組ですね。マリーさんが7番でケントさんが8番ですね。こちらが学生証と説明書になります。この学生証はルームキーも兼ねています。そのほかにもいろんな機能がついているのでとても高価な物です。無くしてしまうと再発行に金貨1枚かかるので無くさないようにしてください。」


この世界のお金は

小銅貨 1円

銅貨 10円

大銅貨 100円

小銀貨 1000円

銀貨 10000円

大銀貨 100000円

小金貨 1000000円

金貨 10000000円

大金貨 100000000円

になる。ミスリル貨1000000000円とオリハルコン貨10000000000円もあるみたいだが庶民が見かけることは殆どできない。


「「ありがとうございます。」」


「この学生証メッセージを送る機能があるみたいだからお互いに登録しよう。」


「もちろんいいよー。やり方教えてー。」


「ああ、ここがこうで…ここをこうして…これでメッセージを送れる。大丈夫そうか?」


「うん、大丈夫そう。」


「寮は学年ごとで分かれていて更に男女で分かれているみたいだが隣同士みたいだな。荷物を置いたら買い物に行こう。20分後に寮門の前で待ち合わせな。」


「うん!わかった〜。」


俺とマリーは別れてそれぞれの寮に向かった。


「ここが俺の部屋かー。」


ドアを開けるとすぐに部屋があり大きさは10畳ほどありそうだ。ロフトもあり、そこに布団を敷いて寝るみたいだ。右側にドアが2つあり手前がトイレで奥がキッチンのようだ。


(学生が住むにはとてもいい部屋ですねマスター。)


(まーな。俺はAクラスだからな1人部屋を貰ったみたいだ。一番下のCクラスは同じ広さの部屋を4人でBクラスは2人で使うみたいだ。1学年上がるごとに条件がもっと良くなるみたいだな。他にもクラスごとで待遇が違う物が多いらしい。)


(なるほど、それで学習意欲を上げるわけですね。)


(そうゆうこと。)


さて片付けが大体終わったし、寮門に行くとするか。


寮門についたがマリーはまだ来ていなかった。2、3分待つとマリーがやってきた。


「ケントお待たせ〜。どのくらい待った?」


「さっき来たばかりだからそんなに待ってないよ。」


「ほんと?ならよかった〜。」


「じゃあ買い物に行こうか。」


「うん!」


俺達は学園案内を見ながら売店に向かった。


「ここが買い物する場所か?」


「そうだよ〜。この建物全部が学用品はもちろん日用品や食材、服や薬なんでもござれの売店みたいだよ〜。」


俺は愕然として目の前にある建物を見た。そこには10階建てのコンクリートビルみたいなものが建っていた。全然売店って規模じゃねーだろっ‼︎大型ショッピングモールじゃねーかよっ‼︎なんで売店っていうんだよ‼︎誰が名付けた‼︎


「どうしたの?ケント?行くよ?」


「あ、ああ。今行く。」


気がつくとマリーは入口にいたので俺は慌てて走って行った。


「時間があまりないからな急ぎ必要なものを買って帰ろう。明日は日曜日で休みだから他のものは明日にしよう。」


「うん、それで良いよ。」


「食べ物を少しと光石、水石、火石が必要だな。」


「えっと、1階が食べ物系で魔石は三階みたいだね。」


「じゃあ先に3階に行こう。」


「うん、階段はあっちみたいだよ。」



「いらっしゃいませ〜。何をお求めですか?」


「えっと〜、水石は小を2つでー、光石と火石はそれぞれ小を1つづつ2人分ください♪」


魔石は魔物を倒すと手に入るものでいろんな色があり魔力の電池みたいなものだ。いろんな魔法具の動力源として使われている。光石はランプに火石はコンロに水石は蛇口とトイレに使う予定だ。一般家庭で使用すると極小だと大体10日、小だと1月、中だと3月、大だと半年、極大だと1年使える。


「はい、こちらが商品になりますね。400円づつになります。」


俺とマリーは国から1か月分の生活費をもらっていたのでそこからそれぞれ大銅貨4枚を支払った。


「400円丁度ですね。はいどうぞ。…はい400円丁度です。どうぞ。ありがとうございました。又のお越しお待ちしております。」


食べ物も購入をしたら外はすっかり暗くなっていた。門限の7時まで後30分になっていたので急いで寮に帰りマリーと別れた。


「また明日ね〜。」


「ああ、また明日。」


部屋に戻ると野菜炒めと簡単なスープを作り買ってきたパンと一緒に食べた。


(8時半か、そろそろ風呂に入った方がいいな。)


寮には大浴場があり朝5時から夜10時まで入ることができる。孤児院には風呂がなかったからな楽しみだ。


「ふー、久しぶりのお風呂サイコーだったぜ。日本にある銭湯と同じ感じでとても満足した。」


風呂を満喫した俺は部屋に戻って少し学園案内を読んでから寝ることにした。


「ふぁ〜、少し眠いな。」


(まだ半分以上残ってるけど、今日はつかれたからこれで寝ることにするか。おやすみメティス。)


(おやすみなさい、マスター。)


ロフトに上がりランプを消してから眠りについた。


日曜日の午前はマリーと一緒に売店で他に必要なものを買い、午後は部屋の整理をしてから学園案内の残りを読んで一日が終わった。

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