第4話洗礼式
*教会ガルバス王都支部大広間*
ガヤガヤ……ガヤガヤ
「凄い人だね〜。」
「そうだな。カルバス王国中の子供がきてるからな。」
「ケントは志望学園はどれにした?私は魔法学園、武術学園、騎士学園、探索学園にしたよ。」
「奇遇だな、俺もその4つだ。」
ガルバス王国には8つの学園がある
政治学園 王族と貴族の子女と学力試験で高得点の平民が入る学園
騎士学園 貴族の子女と平民で能力がとても高い者が入る学園
聖人学園 治癒師、聖騎士に必要なことを学びたい人が入る学園
魔法学園 魔法を中心に学びたい人が入る学園
武術学園 武術を中心に学びたい人が入る学園
商人学園 商人に必要なことを学びたい人が入る学園
職人学園 職人に必要なことを学びたい人が入る学園
探索学園 探索者に必要なことを学びたい人が入る学園
皆この中から志望する学園を4つ選んでステータスを元に評価をしてもらう。そして評価を参考にして通う学園を決めるようだ。
しばらくすると、壇上に神父がやってきた。
「これより洗礼式を開始します。貴族の方々はこちらの水晶でステータスを測定していただきます。貴族以外の方は名前を呼ばれたら各部屋にお入りください。」
神父の話が終わるとマリーが話しかけてきた。
「ケントー。」
「なんだ?」
「なんで貴族だけ大広間で計測するのか分かる?」
「ああ、この前シスター達が話しているのを聞いたんだけど。」
(本当は全部メティスに聞いたが。)
「貴族は平民の見本にならねばならないから。最初は貴族のステータスを見せて、みんなの事信頼してます、一緒に頑張ろうって感じだったらしいけど、今じゃあ凄いステータスを見せて逆らうなよって感じの意味が強いらしいぞ?」
「えー、そうなんだー。なんかガッカリー。」
マリーと色々雑談をしているとすぐに貴族の部が始まる時間になった。
神父が「それでは貴族の部を始めます、ルドルフ・サンタリア様、前へ。」というと、名前を呼ばれた少年が「はい。」と返事をしてから壇上に上がった。
「水晶に手を乗せてください。」
「はい。」
神父に言われた通りに少年が水晶に手を乗せた途端淡い光を出して空中に巨大な半透明の画面が現れステータスが表示された。
ステータス
名前 ルドルフ・サンタリア 性別 男
種族 ハイヒューマン 年齢 10歳 職業 剣聖
称号 公爵令息 剣聖
LV 1
HP 4100/4100
MP 4000/4000
SP 40/40
スキル
・ノーマル
体術LV1 魔法:火LV1 魔法:水LV1 毒耐性LV1 麻痺耐性LV1
・ユニーク
アイテムボックスLV1
・エクストラ
剣聖LV1
おおっ‼︎ザワザワ…1000年ぶりの剣聖だ‼︎これは凄いことになるぞ‼︎
(へ〜鑑定で見たものと表記が違うんだな。それにしても他の人たちすごく騒いでいるな、剣聖ってそんなに凄いのか?メティス、剣聖ってどんなスキルだ?)
(お聞きしたいのはスキルの剣聖についてですね?)
(ああ。他にも剣聖があるのか?)
(はい、他に職業と称号があります。)
(そういえば職業が剣聖になっているな、じゃあ全部教えてくれ。)
(かしこまりました。まずスキルから説明します。エクストラスキル剣聖は複合スキルになります。剣術、魔法剣術、身体強化、速度強化、力強化、攻撃力強化、防御力強化、視力強化、反射強化、思考速度強化、精神強化、縮地が内包されています。1つのスキルを育てるだけで12個のスキルを一気に育てることができるのですごく早く強くなることが出来ます。エクストラスキルなのでこのスキルを持つものはすごく少ないのです。次に職業ですね。職業剣聖になると個人LVが1上がるごとに全能力が+100されます。最後に称号ですね。称号の剣聖は職業が剣聖の者と国が剣聖の称号を与えたときに剣聖の称号が付きます。能力は全能力に+1000されます。剣聖の職業とスキルは1000年ぶりなので会場にいる人達が騒いでいるのでしょう。)
(へ〜、だからこんなに騒がれてるのか。そういえば俺にも称号があったよな。どんな能力があるんだ?)
(マスターがお持ちなのは孤児と記憶持ちですね。まず孤児は状態異常の軽減です。例えば、普通なら怪我中になる状況でも怪我小になると言った感じに一つ下の症状になります。次に記憶持ちですが、こちらは幸運UP小の恩恵があります。効果はドロップが必ず出るになります。)
(へぇ〜、両方とも凄くいい効果があるんだな。)
「次に行きます、アウレシア・フォンターナ様前へ」
・
・
・
「それでは平民の部を始めます、マリアは1号室、リック2号室、ロイド3号室、イルベラ4号室、アレク5号室へ………エド1号室、マリー2号室、ミシェル3号室、ドンテ4号室、ケント5号室へ」
「じゃあケントまた後でねー。」
「ああ。」
・
・
・
ガチャ
部屋に入ると10畳程の広さの部屋の真ん中に、先程の水晶よりも一回り小さい水晶が台座に乗っていた。隣には若い神官が立っている。
「学園希望票をください。」
「はい。」と言ってから学園希望票を神官に渡した。
「孤児院出身の場合は孤児院名と名前を言ってください。」
「アルカリア孤児院のケントです。」
神官は名簿を確認してチェックを入れてるようだ。
「それでは、水晶に手を乗せてください。」
「はい。」
水晶に手を乗せると淡く発光して俺の擬装されたステータスが表示された。神官はステータスを見て手元にある書類に色々書いていく。
「このスキル簡易地図は初めてみるスキルですね。ケントくん簡易地図を発動してみてください。簡易地図発動と言えば発動します。」
「はいやってみます。簡易地図発動。」
スキルを発動するとA3サイズの地図が出現した。地図は俺を中心に半径500mを簡単な地図で表示している。建物の中は空白になるみたいだ。地図を神官に見せると。
「建物の中の構造はわからないみたいですね。LV表記がないので成長しないタイプのスキルです。」
そう言って神官はまた書類に色々記入し始めた。
最後に学園希望票に評価を記入して俺に渡してきた。
「これで洗礼式は終了です。この後学園説明会があるので、反対のドアから出て待機していてください。」
部屋から出るとマリーが先に終わっていたようで俺を待っていた。俺をみつけると直ぐに走り寄って来た。
「あっケントー、見てみてー。私、魔法学園B、武術学園C、騎士学園C、探索学園Aだったよー、ケントはどうだった?」
俺は「これ。」と言いながら学園希望票をマリーに渡した。
因みに評価は S天才、A才能有り、B得意、C普通、D才能無し になる。
「どれどれー?魔法学園B、武術学園B、騎士学園B、探索学園A、適正が全部B以上なんてすごーい。ケントはどの学園にするの?」
「俺は探索者になりたいから探索学園に行くつもりだ。」
探索者とはおもにダンジョンを探索しドロップ品や採取品を持ち帰る者を指す。探索者にはランクがあり、一般には最高はS級で、次はA級~G級という順番になる...が複数のS級ダンジョンを1人で攻略したものはX級になれる。だが歴史上X級に成ったものは1人しかいない。1回ダンジョンに入れば数日の生活費が稼げるから人口の半分は探索者になるほどの人気職である。」
「良かったー、私も探索学園に行くつもりなの。一緒のクラスになれるといいね。」
「そうだな。」
30分程雑談していると神父が1人待機室にやって来た。
「これから学園について説明があります。政治学園(王族と貴族のみ入学可能)は第1ホール、騎士学園は第2ホール、魔法学園は第3ホール、武術学園は第4ホール、商業学園は第5ホール、工業学園は第6ホール、探索学園は第7ホールに行ってください。」
「マリー、探索学園は第7ホールみたいだ、行こう。」
「はーい!」
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