6階層
ゲートを通り6階層に入る
すると景色が一変する
洞窟の中のように周囲が岩の壁で囲まれている
ゲート付近は広場のように広く先に通路のように狭い道が見える
「配信で見た事はあったけど一気に変わるとビビるな。それになんか見た目以上に狭く感じる」
「平原が広かったからなぁ。その影響だろ。6階層から10階層は洞窟型、特に狭い道が多く入り組んでる。慣れてても迷う事がある」
初めて入った探索者が迷うケースが多い
「それは厄介だな」
「狭いから平原のように広く戦う事が出来ない。曲がり角などで魔物が見えず突然接敵する事もある」
「レベルも上がるし地形のせいで余計難易度が上がるのか。洞窟のダンジョンって感じがするな」
「慣れないうちは自分の歩いた道に印を付けると良いぞ。まぁ他の探索者もやるから混ざって分からなくなる事があるが」
「成程」
「この階層では接敵したら戦う。逃げようとしても挟み撃ちに合う可能性もあるから積極的に倒していく」
「挟み撃ちは面倒だな」
「少し早くレベルを7に上げたい」
狭い道に入り急がす慎重に歩く
天井は低いが横は意外と広い
真っ直ぐ道を進んでいると魔物が見える
二足の魔物、見た感じ居るのは1体
……近くに曲がり角や部屋は無い。1体か、レベルは8
「観察で見えない」
「レベル8だ」
「レベル8、格上か。俺が先に突っ込む」
狛はハンマーを握って突撃する
そしてハンマーを振るおうと振り上げるとガンッと音を立て狛の手に衝撃が走る
「なっ」
ハンマーの持ち手が長い事、狛のガタイが大きいという事もあって振り上げた時に天井当たってしまっていた
天井の石が欠けて無数の欠片が落ちる
「くっそ」
広い平原では起きなかった初めての事態に若干の焦りを見せる
俺は狛の背後へ移動する、魔物へ奇襲する為と背後から魔物が来ないかの警戒の為に
少し距離を開けて翼を構えて待機する
狛はハンマーを振るう為に次は右肩側に振り上げて振り下ろす
魔物は後ろに飛んで回避を行う
強い衝撃が地面に響く
振るい辛そうにハンマーを振るう
速度も無く魔物に悠々と避けられ何度か攻撃を食らう
攻撃を何度も食らい余裕を持って躱している魔物を見て焦りからか何度も振るう
その度地面や壁にハンマーを当てる
「なんで当たらない」
その結果、俺は入るタイミングを失う
横から入ろうとしても横に振るったハンマーが当たりかける
……やばいな
「狛! 深追いするな!」
魔物は回避の度に後ろに下がり狛はそれを追って踏み込む
その結果待機している俺と距離が離れ孤立する
俺の声が聞こえていないのか狛は踏み込む
魔物は背中を向けて逃げる
「追う」
「この馬鹿が! 追うな!」
声で言っても聞かない狛に翼の攻撃を軽く叩き込む
後ろから突然来た衝撃でハンマーを構えて振り返る
「後ろに敵!? って悠永?」
狛は後ろを向いて魔物が居ないのに気づいて俺が攻撃したと理解する
しかし、何故攻撃されたか分かっていないと言った表情をする
「俺が殴った。あれは罠だ」
「罠?」
「恐らくあの先に仲間が待ち構えている」
「本当か?」
罠は確定では無い
しかし、襲いかかるでもなく逃げる行動を取るのは罠を敷いている事が多い
「確定では無いが逃げ出す魔物は罠を敷いてる事が多い」
「成程、そうだったのか」
「焦り過ぎだ、どうした? 積極的にとは言ったが深追いしろとは言ってないぞ」
狛から妙な焦りを感じて問う
今のうちに理由を知って置かないと後で問題が起きる可能性がある
「魔物に余裕で避けられて攻撃受けるし大振りで振るおうにも天井に当たるし……他にも挟み撃ちされないように早く倒したかったし」
「……天井に当たるのは持ち手長いからだな。武器変えるか?」
「短剣にか? 確かに狭くても使えるがリーチの心配が」
「いや、他の武器を幾つか持ってきてる」
予備の武器をバックに入れて持ち運んでいる
「まじか」
「破損した時用にな」
「やっぱ壊れるのか」
「壊れるぞ。武器の方にも自動修復ある武器はあるがそのハンマーは付いてないし付いてたとしても戦闘中に破損した時すぐに修復する訳でも無いしな」
「武器壊れないように気をつけないとならないか」
武器は破損する
自動修復を持っていても基本的に戦闘中に即修復はしない
予備の武器を持っておくのはその為
「そうだ、予備にハンマー型は無いが剣や槍がある」
「それなら剣だな」
「ハンマーよりは振りやすいがリーチはあるから気をつけろよ」
ハンマーを仕舞い剣を取り出す
自動修復を持つ頑丈な剣、自動修復以外には能力を持たず切れ味が高い訳でも無い
耐久性能に優れた武器
「丁度いいし防具も変えとくか?」
「いや、防具はこのままで行く」
「了解、次は踏み込みすぎるなよ。あと後ろに気をつけてくれ……当たりかけた」
「き、気をつける」
進むとすぐに十字路が見えてくる
左右の道は近寄らないと見えない
……ここに魔物が潜んでいたか?
「警戒しろ。潜んでる可能性がある」
「分かった。少し先行する」
「進み過ぎるなよ」
「分かってる」
狛が先に進む
全身鎧をつけてる狛なら奇襲されて攻撃を受けても負傷しない可能性が高い
だが念の為に翼で攻撃する準備をしておく
十字路に差し掛かる
そして黒い影が左右の道から現れる
狛は拳を振るい1体を殴り飛ばしもう1体に剣を振るう
剣はギリギリで避けられる
「2体か」
すぐに狛の後ろに移動して狛が殴り飛ばされた方の魔物と対峙する
「1体ずつやるぞ」
「了解」
短剣の能力を使い突風を起こす
魔物は避けて突っ込んでくる
再び短剣の能力を使い避けられた瞬間に踏み込んで翼を叩き込む
一撃では倒せず間髪入れずに2発目を叩き込む
……流石に耐えるか
消滅を確認した後、他に隠れてる魔物が居ないか確認する
居ない事を確認してから狛の援護に回る
使い慣れていない剣とレベル上の魔物という事もあって苦戦しているようだ
狛が剣を振るった瞬間、横から突っ込み翼で攻撃を叩き込む
「やれ」
翼の攻撃で体勢を崩した魔物に狛の一撃が突き刺さる
「助かった」
「少し援護が遅れた」
「それは気にしなくていい。流石にレベル8、動きが早いな」
「だが慣れれば1人でも倒せそうだったな」
「そうか?」
「今の戦いを見て剣に慣れてないってのが大きいと思った。他に個人的に課題があればそれを直せばいいし」
「確かに剣は初めて使うからな。慣れないとな」
迷わないように気をつけながら進み魔物と接敵したら戦闘を繰り返す
「レベル上がらないな」
「レベルは上がる事に上がりづらくなるからな。20以降が特に一気に変わる」
「そうか、魔物居るな」
狛に言われて気付く、魔物が3体居た
結構近くに居るのに気付くのに遅れた
……気付かなかった結構近いのに、レベルは6か一先ず倒す
狛が引き付けて横から1体ずつ倒していく
魔物の攻撃は狛が止めてその隙に俺が攻撃して倒す
そして魔物を倒して進んでいく
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