第7話 おやすみ少女

(少女に布団をかけてあげる)


「あのー、私結構眠りが浅いので寝付くのに時間かかると思います」


「――心配しないでいい? 

 ……なるほど。もしかして、何か秘策でもあるんですか?」


(音叉を棚から取り出す)


「な、なんですか!? その鉄の棒で何をするんですか! 私を、私を殴る……」


(音叉を自分の太ももでたたく)


「――本当に何してるんですか? 

 ご主人様の太ももから鈍い音が出ただけで特に何も……」


(少女の顔に音叉をぐるりと一周させる)


「す、すごい。なんだかゾクゾクします。近づいたり……遠くなったり……。なるほど、自然に目を閉じたくなりますね」


(小さく吐く息)


「心地よい振動が頭の中に入ってくる感覚……私今、すっごくリラックスしてます」


「――別にしゃべらなくてもいい?

 いやぁ、この感じたことのない感覚に少し動揺しているんです。

 なのでお気になさらず」


(濡れたシートを指に巻き付ける)

(外側を軽く触る)


「――次はお耳ですか? いや、耳はちょっと……」


(表面をかるく擦る)


「んっ、結構、気持ちいい? 

 やったこともやられたこともないんですけど、なんだか汚れが一気にとれる感じです」


(奥でゴリゴリさせる)


「こ、これすごいです。あぁ、これ絶対クセになっちゃいます。もっと、もっとやってほしい……です」


「//一生耳かきをお願いします。

 気持ちよくて同時に綺麗になるなんて……ご主人様にもいつかやってあげますね」


「ふわぁぁ、だんだん眠たくなってきました。

 でもさすがに耳かきされながら眠れませんよ~

 ……ちょっと怖いというのもありますし」


(棚からガサゴソ。

 ヘッドマッサージャーを軽く指ではじく)


「なんですか~それ。

 たくさんの棒がついて、まるで泡立て器ですね~」


(頭のツボをヘッドマッサージャーで軽く押す)


「や、やばいですよ。これ、なんだか頭がゾワゾワしてくすぐったいです。あぁ、ダメ、これもクセになりそう」


「にゃんですかこれ?

 私の頭が身体から離れていく感覚、何も考えられにゃい」


「……」


「——早く寝ろと言われても、私はご主人様と一緒に寝たいんです。ご主人様も声に出して、気もちぃ。とか、そこだめっ。なんて言われたら嬉しいでしょ?」


「——それよりも、我慢して漏らした吐息で気持ちいいことは分かってる? 

 ……ご主人様って、やっぱり変態ですよね」


「もう早く、一緒にお布団入ってきてください」


(シングルベッドでぎゅうぎゅうになって並ぶ)

(布擦れの音)


「――全然狭くありませんよ。私、結構小さいので。

 でも、将来性はめっちゃ高いですから。期待していてくださいね」


(抱きしめられる)


「……やっぱりド変態のご主人様にくっつきたい私も、変態……なのかな?」


(頭を撫でられる)


「へへっ//離れちゃ、やですよ?」



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