第4話 泡まみれの少女
(シャワーで全身を濡らす)
「快適な温度にちょうどいい水圧ですね。
私たちは基本的にお外の川かお花にあげるような汲み水ぐらいしか使えませんので」
「ホースだと水圧が高くて、お外の川は冬だと地獄なんですよ」(にこっ)
(そうか……辛かったな……)
「――なんで泣いているんですか。
ご主人様が泣くことないじゃないですか」
(びちょびちょの手で涙をふき取る)
(顔も服もびちょびちょになる)
「へへへ、今が最高なので、もう上書きされました。
……上書き、されちゃいました//」
「――……もちろんこのシャワーを浴びれるだけでとっても嬉しいんですけど、ご主人様のことだから、何か目新しいものをお使いになるんですよね?」(キラキラした目)
「今からどんな露わでいやらしい姿にされるか、私すっごくドキドキしてるんですから」
「――誤解を生むような発言はやめてほしい?
全然そんなつもりありませんよー」
(シャワーを止める)
(水鉄砲に水を入れる)
「え? どうして銃にお水を入れてるんですか?
バカなんですか? 大バカ様なんですか?」
「――あんぽんたんと言ってほしい? ……ご主人様の、あんぽんたん!
//なぜか、同じ意味の言葉を言わされた気がします……」
(さらに石鹸を入れる)
「それ、石鹸じゃないですか? も、勿体ないんじゃ……」
「――なぜって、石鹸は異世界人が独占的に販売している高額なもので……」
「えっ? 自分でも作れる?
ご主人様ってもしかして異世界人なんですか!?」
(こくりとうなずく)
「それならなおさらご主人様は変わった人ですよ。
……も、もちろん褒め言葉です」
「――なるほど、それが獣人のために作られた専用のしゃんぷーと言われるやつなんですね」
「でも、私なんかに使って……」
(水鉄砲で泡を発射する)
「く、っふふふふ。ちょ、ちょっとくすぐったいです!
もう、やめてくださいよ!」
「――ずるいですっ! 私も使いたいです!」
(ニコリと笑うだけ)
「いっひひひ、やめてくださいっ」
「……ご主人様って変態ですよね。
女の子が悶絶する姿が見たくて、いやらしいところばっかり攻撃するんですから」
「――それは誤解だって言っても、信じられませんよ」
「――綺麗にするためには必要な工程?
ってその分厚い手袋は何ですか?」
(手袋をはめる)
「手のひらに何かブラシよりも短い突起物がたくさんついてるんですけど……」
(泡がかかったところを手のひらでなでるように洗う)
(毛に絡まった汚れを掻き出し、毛流れを整える)
「これ、痛気持ちいいですね。毛の流れに沿って汚れを落とすだけでなく、身体の奥にあるツボのようなものが同時に押されてます」
「私に絡みついていたあらゆるものが取れる感覚、最高です」
「本当にご主人様は変態で天才ですね~」
(脇を狙って洗う)
「――だから褒めてますって//」
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