第19話

「みたところ、これは刀でスパッとやった方がいいね」



しばらく戦っていた会長さんが言った。


ちなみに会長さんの武器は刀である。

李人くんも刀で、蜜柑くんと優瓜くんは忍びだから短刀とか。私は弾丸なので、遠距離のときは祓い屋専用の銃をつかう。


ちなみにさっき一回使ったら、会長さんに「銃刀法違反じゃないのかな…」と不安そうな目でみられた。大丈夫…だよね。


また、蜜柑くんの能力である『複製』は霊力が大量に消費されるため、特殊なブレスレットをつけて力を抑えているらしい。


あ、これは会長さんと李人くんが刀で物の怪に攻撃してる時に教えてもらったんだよ。



「このブレスレットはねぇ、もとはただのアクセサリーだったんだよ〜!それに霊力をこめたらできあがりっっ!」



と言いながら、大事そうにブレスレットに触れていた。にしてもすごい綺麗なブレスレットだ。ただのアクセサリーに見えるけど、よく見れば確かに霊力を感じる。


「大事なんだね」


蜜柑くんに言うと、彼は嬉しそうに、


「うん!僕の宝物なんだよね…えへへ」


と言っていた。



ところでねー…。


マジでヤバイかも。


タランチュラとか無理だよ…?


はやく倒したい!!!!



「会長っっ……!!はやく倒したいです!!!」


「えー、僕疲れたなあ…小野寺さんとどめさしてよー」




は?


本当に生徒会長ですか?普通新入生にこれやらせる?


「あ~!もう!やりますよ!!」


やればいいんですよね!!!



私は物の怪タランチュラの心臓めがけて―――。



胡桃弾を撃ち込んだ。




【優瓜side】



「うわあ、すげー…」


やっぱ杏の言う通りだ。


桃ちゃんはすっごい強い。

音もたてずに物の怪を倒した。しかも一発で。



『小野寺さんはすっごい強いよ。小野寺家は全員強いけど、今の代は特にね。中等部の弟くんと幼稚部の妹さん。みんなすごい能力の持ち主だよ』



俺は杏が言ってたことを思い出した。


ん~…


やっぱり生徒会にきてほしい人材だな…。


学年一位だしね。芯もしっかりとね、うん、してるし!



「ねえ、桃ちゃんって強いよね。なんか訓練とかしてるのぉ?」


蜜柑が桃ちゃんにきく。


「んん…。特にはしてないけど、実戦はよくしてるよ?」



おおお…すげえ…。


いつ死ぬかわからないにね、実戦できてるのはすごいと思う。


俺だって戦うもは怖いよ?杏の両親も物の怪に殺されたらしいし。


しかも、その物の怪はまだ生きてるとか。

だから、杏はそれを倒す。それを俺らが手伝う。その計画に、桃ちゃんが欲しい。


それは杏も同じだろう。


俺らだけだと倒せないからね。












人型ひとがたは。

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