第17話
「李人くんも祓い屋なのかぁ…」
「あ、もうさすがに驚かない…よね?」
優瓜くんはさっきの私の叫び声がトラウマになったのか、びくびくしている。
「いやぁ、もうさすがに小野寺さんはおどろか「祓い屋ぁぁぁぁ!?私と会長さんみたいなぁぁぁ!!!????」
私は会長さんの言葉を思いっきり遮ってしまった。
「ああああ……」
「優瓜くん!?え、ほんとにごめん!」
優瓜くんはもう完全に心臓がやられたみたいで、その場に座り込んでしまった。
私は罪悪感でいっぱいになりながらも、叫び声で弱ってしまった優瓜くんの頭を撫でている蜜柑くん……という神空間に癒されていた。いやー、私不謹慎!
「ねえ、最近小野寺さんのキャラ崩壊始まってるんだけど、みんな気づいてる?」
「え?あ、私もともとアオハルオタクなんですよ」
《え、桃ちゃんってアオハルオタクなんだ》
いつの間にか復活した優瓜くんの心の声が聞こえてきた。何で聞こえるかというと、別に隠す必要ないと思ったものか、それほど動揺しているかのどちらかの理由があるかららしい。(さっき会長さんにきいたんです)
「あ、そうなんだね〜。それと、小野寺さんの言う通り、李人くんは僕らと同じ祓い屋。同業者みたいなもんだね〜。でも…」
「……俺は弱いんですよね、会長…」
「ほらー、めっちゃネガティブ!!」
会長さんが困った顔をして顎に手を添えた。
「うーん、そんなに弱くないと思うんだけどー」
んー…。
李人くんの実力が気になってきたな…。
「李人くんってどんくらいの強さなんですか?」
会長さんに訊いてみる。
すると会長さんは少し考えてから、にこーっと笑って、
「百聞は一見にしかず!!さっそく物の怪を倒しにいこ!」
「え」
「やったぁ!行こ行こ〜」
「最近暇だったからな〜」
「……はぁ」
十人十色(五人五色…?)のテンションで、私たちは多目的室、つまり、かつての私の教室にきた。
《え、生徒会だ》
《相変わらず顔面偏差値高いな…》
《蜜柑くんかわいいっ!!!!!!》
《優瓜くんも高身長でイケメンンンッ!!!》
《李人くんの一匹狼感も尊い…!》
《でもやっぱり会長のかっこよさには敵わない!!!》
周りの生徒(の心の声)がめっちゃ騒がしい…。
《でも…》
《でも…》
《でも…》
でも…………?
《《《《《《《小野寺さんが一番かっこいい……!!!》》》》》》》
ん?
聞き間違いかなーーー。
周りの生徒たちの(本当の)声に聞き耳を立てる。
「え、今何考えてた?」
「いや、生徒会の人達尊いなって」
「他は?」
「小野寺さんって…可愛いのにイケメンだよね」
「え、わかる!」
あれ………。
私ってイケメンだったんだ?
「あ、たしかに桃ちゃんってイケメンかも」
「ええ?俺はかわいいと思ってた」
「……………どこが」
蜜柑くん、優瓜くんもこそこそと話しており、李人くんは悪口らしきものをつぶやいていた。
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