第16話
「忍び…忍び…ほえ〜…今時いたんだ…忍び…」
「小野寺さんはもはやそんなに驚いてないよ」
「そりゃあ、さっきの話の流れ的にあんまりびっくりしないわ」
「僕ならびっくりしてると思うけどねぇ」
「〜〜〜〜!?忍びっっ!????」
「「「うわっ」」」
「うるさっ…」
こんにちは、小野寺桃です。
優瓜くんのカミングアウト(?)から47秒後、やっと叫びました。
うるさすぎて、部屋のすみっこに静かにたたずんでいた李人くんも反応してくれました。
いやいや、忍びって、江戸時代とかにいた人なんじゃないの!?え、いま令和だよ?
え、家系?そういう感じ?
《え、何こいつ。うるさ。》
「李人くん……それは……ひどくない?」
「は?俺の声聞いたの?」
「李人くんはまだ
「蜜柑、言っちゃダメだよ。本人はめちゃくちゃ気にしてんだから」
「へ?ほふはほふひへんはらふはへはお?」
「あ、翻訳すると、“え?僕は幼稚園から使えたよ”だね〜」
「あ、ありがとうございます」
優瓜くんが蜜柑くんの口を塞いでたため、蜜柑くんがなんて言ってるかわかんなかったかど…会長さんが翻訳してくれた。
そして、私は考えていたことを言う。
「あの…閉心術…って、心を閉じるやつですよね?だから、優瓜くんや蜜柑くん、そして会長さんの心の声が聞こえないんですか?」
「おお!桃ちゃん、よく知ってんじゃ〜ん!」
優瓜くんが嬉しそうに笑った。
「え、あってるの?適当に言ったんだけど…」
「あってるよぉ!あと、李人くんはぁ…」
「は?ちょ、蜜柑せんぱ、」
珍しく李人くんが焦ってた。
《俺は閉心術使えないんだけど…こいつなんかにバレたくないんだけど…あ、待ってこれ聞こえてんのか。あ、終わった》
え、李人くん焦りすぎじゃない?
めっちゃ新鮮。
「あ、あー…。蜜柑くん、何も言わないでいいよ…」
「?わかったぁ!」
李人くんの心の声聞くとなんだかかわいそうに思えた。
「あ、あと、会長さんって祓い屋なのに閉心術使えるんですね?」
「あー、うん。うーん…なんか、いろいろとわかりにくいからさ、改めて自己紹介しない?」
「いいじゃんっ!もう隠すこともないしね!」
「改めて、僕は久遠杏。生徒会長で、祓い屋だよ!いろいろな訓練受けてるから、閉心術も使えまーす!幼稚部から檸檬学園だよ!一応、テストでは学年1位だね」
「だから、モテてるよねぇ〜!
僕は、天川蜜柑!忍びの家系で、生徒会書記だよ!中等部から檸檬学園!テストでは学年2位!」
「俺は大橋優瓜〜!忍びの家系、生徒会会計で、テストでは学年3位だよ…蜜柑に負けてる…泣いていい?」
「でも、たったの7点差!めっちゃ誤差じゃん?ちなみに、優瓜くんも中等部から檸檬学園だね!……はい!最後は李人くん!」
「は?はぁ……」
《あでも、会長の言うことに逆らったらやばそう》
あ、李人くんよくわかってるね?
「和泉李人。祓い屋、生徒会役員。学年3位」
「いや、単語」
優瓜くんが的確なツッコミをしてくれたのかもしれないけど、私は違うところをツッコミたくなったよ!?
「祓い屋…?」
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