第12話

きょう(生徒会長)side】



僕の家は普通じゃないらしい。


そして、その家に生まれた僕も。



祓い屋なんだって、僕。

そういう家系なんだって。

両親も、兄弟も祓い屋。


物の怪から、人々一般市民を守る。絶対に祓う。



そうやって、父さんと母さんと約束した。



『杏は別に無理して祓い屋にならなくても、好きな事をすればいいぞ?』


『そうよ、やりたいことをやりなさい。お父さんもお母さんも応援するから!』



『僕はねぇ、おとうさんとおかあさんみたいな“はらいや”さんになりたいっ!やくそくするっ!』



『そうか!やりたいことは応援する!』


『いろんなことにチャレンジしてね、杏ちゃん。やくそく』




約束したんだ。なのに。





2人は死んだ。僕が5歳の時かな。


ある任務中に強力な物の怪が現れて、そこにいた多くの祓い屋が戦ったけど全滅。


その中には両親もいた。



そこから、僕の人生は狂い始めるんだけど。続きはまたいつか言うから。



今、緊急事態だから…。


なんたって、小野寺さんのクラスが消えたっぽいからねー。小野寺さんはいるみたいだけども。とりあえず、助けなきゃね。


多分物の怪かなぁー。僕の出番。


黒川くんいないと生徒会の雑よ…じゃなくお手伝い係が不在になっちゃうんだよ〜。困るね。


僕は、戦う準備をする。

今回の物の怪も絶対祓う。



ちなみに、両親を殺した物の怪はまだ祓われていない。消息不明である。


だから僕の手で絶対に。






「––––––祓ってみせる」


     

       【杏(生徒会長)side 終】



––––––––––––––––––––––––––––––––––––––



「はあっ、はあっ……かいちょっ、て………生徒会室にっ、いるのかな…?」



今、私は絶賛廊下走り中!!!!!


おい首席、何してんの?という声が脳内に響いたので、後で反省する予定!!


ていうか生徒会室遠いなぁ。疲れてきたっ…


なんで走ってるかというと。



私もよくわかりませんっっっ!!!


遡ること数分前。。。


さっき、急にクラスメイトとクラスの存在が消えて、いままでの人生最大級に焦ってたら。

“生徒会長さんの心の声”がきこえた。



《小野寺さん、きこえる?えっと、そっちの状況は大体掴めてる…と思う!とりあえず、生徒会室に来てくれる?あとでいろいろ話すから!!じゃっ!》



心の声も元気だなぁ。


っ、え、あ、いや待て待て待て。



生徒会長さんの心の声きこえたっっ!?


入学式以来なんだが!?


あとなんでここまで届くんだ声!?


そもそもなんでこっちの状況掴めてんの!?前提おかしずぎない?


生徒会長さん、まじで何者!?



と、動揺しながらも友達に『保健室に行く』と嘘をついて生徒会室まで急いだ。



そして今。


生徒会室にたどり着いた。走り過ぎて息切れやばいよ。



私はすぅー、はぁー、と息を整えて



「失礼します」



と、生徒会室に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る