第5話
「ねえ、結南、彼氏との様子はどう?」
「へ!?ま、まあ、ね、うん」
「恥ずかしがんなよ〜教えてよ〜」
部屋の外に柚の気配を感じたら追い返す、というのを繰り返していたら、ようやく諦めてくれたらしい。
しばらくは私の部屋で恋バナをしていた。
《そりゃあ、順調なんだけど、恥ずかしいなぁ〜》
結南はどうやら彼氏と順調らしい。よかったよかった。(私はアオハルオタクである。)
だが。彼氏くんに告ぐ。油断するな。
結南はけっこーモテてますよ。そりゃあ、可愛いからね〜。
「な、なに…?」
結南のことをニヤニヤ見すぎて引かれた。
「ていうか…桃はどうなの?好きな人とかいないの?」
え?いやいや。
「いないよ。」
「そうなの?じゃあ、かっこいいと思う人は!?」
「んー…?」
「あ、
萄真…か。私の幼馴染の
仲はいいけど…恋愛感情を持ったことは無いなぁ。
「ていうか、幼馴染に好かれるって気味悪がられない?」
「どこが!!とってもロマンティックじゃない!!桃も恋しなよ、せっかく可愛いんだから」
ありがとね結南…でも恋はしなくていいかなぁ。
今は勉強に集中したいからね。
こんなことしてたら一生彼氏ができないかもね。まあ、それでもいいよ。柚やきうい、そして結南が幸せならそれでいい…(アオハルオタク発動すんなよ)。
でもね、結南。
《桃ってばいつ彼氏つくるんだろ?一回合コン行かせようかな…》
それはやめて……。
–––––––––––––––––
次の日。
今日も元気に学校へ登校…しない方がよかったのかも。
だってさ、だって。
「好きです、付き合ってください!」
違うクラスの男子に放課後旧校舎の裏に呼び出されて告白されたんだもん…。
罰ゲーム?ドッキリ?
でも、心を呼んだところ、嘘は感じられない。ガチらしい。
まじかよ…。
ていうか誰、この人。
言葉にしたら傷ついちゃうかもだから、それはのみこんだ。
「ごめんなさい、お気持ちには答えられません…。」
その男子は、ショックを受けたような顔をしていた。
なんか、ごめんね。
私はそう思って「じゃあ、私はこれで…」と帰ろうとしたら。
どんっ。
いきなり、壁に叩きつけられて、手で逃げ場を塞がれた。
あ、これがいわゆる「かべどん」?というのかな?
じゃなくてさ。
「すいません、帰らしていただけませんか?」
「お願いだよ、付き合ってほしい…。俺は中等部から入ってきたけど、入学式の時に君に一目惚れしたんだ…。3年くらい好きだったんだ。これで断るの?ひどいなぁ、それならこっちにも考えがあるんだけど」
え。何この人…こっわ。
本気で怖くなってきた。
誰か助けて–––。
そう思った時。
「ねえ、何してるの?」
……え?
そこにいたのは–––。
紛れもない、『生徒会長』だった。
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