第3話 のめりこむ

大晴は僕より2つ上だった。

でも学校には行かず働いていた。

だからかな。少しお兄さんに見えてなんか、かっこよかった。


竜也は、僕と大晴との事を気付いてた。

でも僕らにやましい事はない。付き合ってないから。言って欲しかったけど、なかなか言えなかった。


大晴の家に行って、大晴がトイレとかで取り残されると竜也が横に座ってきた。


「………。」

「ん?…なに?」


竜也は僕の手を握ってきた。


「兄ちゃんと付き合ってんの?」

「ううん。まだ。まだって言うか…俺は言えない。」

「…じゃあ俺でもいい?」

「…大晴がいい。ごめん。」

「なんで?」


「大晴は、、暖かいから。それにわがままいっぱい聞いてくれる。だから好き。」

「……」

「竜也は一回僕にキレた。『わがまま言うな』って。でも大晴はなんでも聞いてくれる。なんでも聞いてくれて、付き合ってくれる。だから、大晴が好き。」

「どんなわがまま言ってんの?」


「…恥ずかしいから言わない。」


「『大晴、キスして』ってよく言ってるよな。」

「言うなよ恥ずかしい!」

「事実だろ?」

「そうだけど。」


「……。」

「なに。」


ソファ後ろ側から僕の頭をわしゃわしゃする。


「竜也は寂しいんだよ。お前がいなくなって。」

「……そうなの?」

「……」


思わず竜也を抱き寄せてしまった。


「やめろ!」

「やめない。」

「兄ちゃんがいいんだろ?!」

「どうだろ。付き合うとか付き合わないとか言ってくれないし。」


「…流星」

「ん?」


不意に竜也からキスされた。


「…なにそれ。竜也可愛くない?」

「うるさい。」


顔を赤くしている。


「大晴、俺、竜也と付き合うから。」

「お前がそれでいいなら?」

「だって大晴、言ってくれないから。」

「お前からだって言えたじゃん。」

「俺は大晴から欲しかったの。」


「流星。俺と付き合って。」


竜也は僕にそう言ってきた。


「いいよ。可愛いから。」

「…俺の部屋行こ?」


――――――――――――――――――。


事後…寂しさが残った。


―――――――――翌日。


(通話中)


『どうした?』

『…大晴。』

『なんかあったか?』

『寂しい。』

『やっぱりだめか?』

『……寂しいよ。』


――――――大晴はすぐに自宅に来てくれた。



――――――自室。


僕は大晴から離れなかった。

大晴は僕を抱き寄せて、頭の上に顎を乗せていた。


「大晴…」

「…ちゃんと言え。」

「キスしてください。」

「じゃあ俺と付き合え。もうダメだ。ほっとけない。」


そのまま押し倒されて優しく愛された。


―――――――――――――――。


これも全て大晴の作戦だった。

大晴は少し大人でかっこいい。

体も心も大好き。

そこまでのめり込まされていた。


――――――――――――――――――。


「流星…出すぞ」

「奥来て…出して」


一瞬動きを止められて切なくなった。


この人は向かい合ったまま組み敷くのが好き。


「大晴……ねぇ、して?動いて……」

「壊してやるか?」

「…大好き」

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