君はきっと気づいているでしょ。これは私が中学生の時に書いた、親愛なる私宛の手紙。私の中には私以外の自分がいる。それに気づいたのは、いつのことだったか。イマジナリーフレンドなどという、小さい頃に誰もが一度は体験するものがいつの間にか自分と重なって溶けていて、感情が昂った時にのみ現れるような状態だと今なら説明することができるけど、当時の私は泣き叫ぶ頭の中に現れる自分のような誰かの存在が嫌で仕方なかった。そして、それが自分自身への嫌悪に変わっていった。こんな自分は嫌だ。こいつのせいで私はこうなってしまった。でも、こいつの甘言に騙されて生きてきた自分が悪い。それにこいつがいなくたって、私はあの人を傷つけてしまった。あいつの言葉で犯していたことは結局誰にもバレずに誰も傷つけずに、私が苦しむだけで済んだのに。私は生きていちゃいけないんだ。

 飛躍しすぎと笑うかな。私もこんな自分はおかしいんだって思ってるけど、「死」にどうしても引き寄せられてしまった。もっと罪を犯して、罪の重さに押し潰されながら、好きな人に、愛する人に殺されたい。そんな綺麗なバットエンドを思い浮かべるようになってしまった。そしたら、私自身は満たされて、解放されて、ポジティブ思考のもう一人の私は、なんでそんなことになるのって、ヒステリックに叫ぶだろうって。それこそ、私の求めるものだって、そう思った。

 もう一通、君に読んでほしい手紙があります。家族に宛てた手紙です。この手紙は君以外には見せません。見せたくありません。宛先である両親にも見せたくはないんです。だから、読み終わったら、必ず燃やしてください。君がわたしを裏切らないことを願います。

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