第9話 アルバイト初日 その2
俺は土方さんと(時間ギリギリだったから案内はしてない)一緒にバイト先に急いで向かった。
……バイトの時間にギリギリ間に合ったぜ。 焦ったわ。 初日からバイトに遅れるなんてあり得ないからな。 もし遅刻なんかしてマスターの心象が悪くなったらバイト首に為りかねないからなぁ。 首に為ったら俺の新作ゲームが買えなくなってしまう。 それだけは避けたい!
俺は俺の後で息を切らせながら何か言っている土方さんを無視しバイト先である喫茶店の中に入った。
「こんにちは。ギリギリの時間に来てしまってすみません! 今日から宜しくお願いします!」
「ん? 大丈夫ですよ。じゃあ早速宜しくお願いしますね。先ずはこれに着替えて下さい。ロッカーは奥に有りますのでそこで着替えて下さい」
マスターがカウンターの奥に移動し、制服と思われる衣類を持って来て俺に渡してきた。
……なかなかに格好良い。まるでバーテンダーが着るみたいな(当たり前だが未成年だからバーになんか行った事なんか無いけど、イメージ的にそんな感じの洋服)衣装だ。
「じゃあ着替えてきます」
俺はマスターに渡された衣装を持って店の奥に有るロッカールームへ移動した。
~千鶴side~
私は和泉君の後を追って和泉君のアルバイト先に向かっています。
……しかし、和泉君! 早い! 早いよ移動スピード!! 私、付いていくのがやっとなんですけど!? 和泉君、本当に運動とかしてないのかな!? 私テニス部だからある程度の体力には自信があったけど、和泉君に並べないんですが!? 下手したら和泉君に置いていかれそうな勢いなんですけど!?
少し位私の事に気を配ってくれません!? もしかして私の存在忘れてませんか!?
私は和泉君の後姿を見失わない様に必死になって付いていきました。 ……ま、待ってよ~~~~!
それから数分後、和泉君が立ち止まりました。そして腕時計を確認し安堵の表情を見せています。 や、やっと和泉君のアルバイト先に到着したみたいです。 私は切れた息を整いつつ和泉君に
「は、早いですよ和泉君。私、和泉君に付いていくのがやっとでした。 ここですか和泉君のアルバイト先は?」
と問い掛けました……が、和泉君は私の方を見ようともしないでそのまま和泉君のアルバイト先である喫茶店の中に入って行ってしまいました。
……へ? も、もしかして…私の存在を、完全に忘れています? 私、ここに居ますよ? 今私、和泉君に話し掛けましたよね? わざと無視しました? それとも本当に私の存在を忘れています?
もしそうならあまりにも酷くありませんか? ……でもそんなクールな和泉君に私は惹かれてしまいますけどね。 だって、クールな男子って素敵じゃありませんか?
こ、こほん。 と、とりあえず目的である和泉君のアルバイト先である喫茶店を突き止める事に成功しました。 これからは和泉君の格好良い姿を眺める為に、暇な時はこの喫茶店に通う事にしましょう。
さて、必死に和泉君の後を追っ掛けて来ましたので喉が渇いてしまいました。 折角ですので、ここの喫茶店で飲み物を飲んで行きましょう。 和泉君のアルバイトに貢献です。 そして和泉君の労働する姿をゆっくりと堪能するとしましょう。
私は喫茶店の入り口に立ち、入り口のドアを開けて中に入りました。
~孝明side~
早速制服に着替えて戻ってきた俺。 するとマスターが
「お、和泉君。似合ってるじゃありませんか。格好良いですよ」
と褒めてくれた。 やっぱり褒められると悪い気はしないな。
「ありがとうございます」
「ふむ。sizeもピッタリみたいですね。良かった良かった。 では和泉君、早速初仕事です。今来店されたお客様から御注文を取ってきて下さい。宜しくお願いしますね」
「了解です!」
マスターから初仕事を言い渡された俺は、注文を受ける為にお客様の元へ向かい
「いらっしゃいませ。御注文がお決まりでしたらどう……ぞ」
「あっ、それじゃあオレンジジュースをお願いします。私の事を忘れてた和泉君♪」
注文を受ける為に行ったそこには、笑顔(目は一切笑っていない)の土方さんが座っていた。
……やべぇ。土方さんが一緒に付いてきていた事をすっかり忘れてた……。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
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今後とも拙作を宜しくお願い致します (。-人-。)
学園一の美少女に一目惚れされた。 でも俺はゲームオタクですけど? 猫之丞 @Nekonozyo
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