第3話
シュワシュワシュワとグラスに注がれたジンジャーエールの炭酸が音を立てていた。いつも決まって頼むから美味しいことは既知の事実だが、どんなときでも注いだばかりのこの炭酸が弾ける少し下品な音がたまらなく好きだった。
「今日のジンジャーエールは何点ですか」
「100点を超えて100点だ」
この会話のくだりも3桁回数近く行ってきているだろう。いい加減飽きろよな俺も。
「なあ、文理選択どうすんだよ」
ジンジャーエールを介したくだらない会話をすぐに終わらせる。
「まだ決めてない、正直、どっちでもいいんだよなー、正直どっちも多分そこそこ出来るから」
「嫌味な奴だな相変わらず」
「そっちは、逆にもう決めてんのー?」
「いや、俺も迷っているから聞いてみただけ」
正直俺は、どうしてもこの科目を今より学びたいだとか、自分にはこっちの方が適してるみたいだとか、そういったことが自分でもよく分かっていない為、悩んでいた。そして、最後は確率50%のルーレットやらあみだくじのような何かで決めるつもりでいた。
「どっちでもいいなら、可愛い子が多そうな方に決めるなんて決め方もアリじゃない?」
「んんー、確かに何も理由がないよりかはマシかもな、不純な決め方ではあるけども」
「でも世の中大半の事が曖昧で、千里もたまたまバドミントン始めて、偶然ハマってこれまで続けてきたわけでしょ?」
「その偶に核心を突いてくるの辞めろよな、何も言い返せないから」
因みに俺は心の中で、この現象を葵無双と呼んでいる。
「あはは、ごめんごめんー」
炭酸が徐々に抜けてきて、甘ったるくなったジンジャーエールを飲みながら、バドミントン部だったことを俺、
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