第1話

 ピロンとスマホの音が鳴る。まだ眠いので通知音を無視して眠り続ける。朝なんだからゆっくり寝させてくれ。昨日まで日曜日だった為、今朝は一段と朝が眠く感じた。分かってる、分かってる。どーせこの時間のスマホの通知はあいつからのラインに違いないんだ。今までだってそうだ。例外はなし。俺はぎりぎりまで寝ますよっと。

 刹那、ピロンとまたスマホの通知音が鳴る。二度寝を安々とさせてくれるわけも無く、起きることを強要させられる。はいはい、分かりましたよ、起きればいいんだろ……。

 重い身体を無理くりベッドから起こし、スマホに目を落とし、通知画面を確認する。

「おっはよーーーーーーーーー」

「今日ガッコサボんねーか!!!???」

 予想した通りの相手からの予想した通りの内容で、ため息半分、安堵半分である。

「マジでこいつの心境どうなってんだよ」

 思わず心の声が出る。唯不思議なことに、こいつと学校をサボることにそれほど抵抗は無い。気付けば時間もいい時間であり、学校へ登校するにしても、サボるにしても選択をしなければならない。

「とりあえず制服に着替えるか」

 そう呟き、少し急いで部屋着から制服へと着替える。

 いってきますを母に告げ、勢いよく学校とは真反対の、とある目的地へと自転車を漕いだ。

「待っとけ、クソ野郎」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る