ラブコメに神様がいないなら、俺がなれる気がしてきた。

T村

プロローグ

 一度だってこんな気持ちになったことは無かった。

 何時間も悩んだ末に難問が解けた時。

 汗だくで帰宅しその汗ばんだ靴下を脱いだ時。

 山積みの課題を一遍に処理できた時。


 どれも似ているようでどこか違う。ただ、それだけ何か大きなことを達成したような気になり、高揚が止まらなかった。

「おーい、次は何すんだよ」

「もっとくだらないことに決まってんだろ」

「そう言うと思った」

 そう言うと、俺たちはまた走り出し、時間が過ぎることさえ忘れた。

 頭上を見上げれば今日は、空がどこまでも青く、小さく、少し力を入れれば掌握できそうに思えた。


 こんな日常がこれからも続くことを心から願ってやまなかった。

 明日もこんな日になればどれだけ幸せかと強く思わざるを得なかった。

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