1話 義満、山名氏清、満幸に命じて時煕、氏之を但馬に討たせる 下
こうして晴れて氏清は
この戦の出陣前に氏清は御所に馳せ参じ公方様と対面なさると
「一家の者共を退治するいうことは、それは
そう申し上げると公方様の御返事は
「彼らは上意に背くから討伐するのだ。
と仰せくださったので、氏清はそれではと、奥州や但馬に馳せ下って時煕等を追罰して、両国から叛乱は無くなった。
又、
公方様は武蔵入道の上洛を、大手を開いて喜び迎え入れて、再び管領の座につけた。※実際は入道していた為、養子の頼元が管領の座に付き、頼之が補佐した。
天下の人々は尽く帰服して、常久の権勢は天下万民の上に立つこととなった。
公方様と常久は高祖劉邦と張良のような間柄で、互いに互いを信頼し合っていたので、公方様は常久に
「政道のことは全て武州禅門に任す。」
と仰せくださり、常久はひたすら理民安世の儀を沙汰し給わった。
しばらくして
「全く野心は存在していませんでしたが、一族の
と内々に伺い申し出て、両人は密かに上洛して清水辺を住居としたのだった。
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