第3話 いじめられっ子と私
クラスにはいじめられっ子が居る。
名前は「
「山、次教室移動だよ?行かないの」
私だけだった。
山に声をかける変わった生徒は
「筆箱隠されちゃって…」
「じゃあ私の鉛筆貸すよ、消しゴムも。ほら急
ご、遅れちゃうよ」
そのまま山の手を引っ張っていった。
結局遅れてしまい、先生に謝った。
その日の昼休み
山をいじめてる子にからかわれた
「お前は山のこと好きなのか」
「菌がうつるよ、汚いよこいつ」
適当に「あ、そうなんだ」と返しておいた
それ以降山と仲良くしていても、私がからかわれることはなかった。
私は山へのいじめを止めようとしたことはない
けれど、いじめに参加しようとしたことも無い
何となくわかっていたのだ
結局は本人がどうにかしなければ
終わらないことだと。
山は優しい訳では無い
自分が大切なのだ。
なのに周りの大人は「優しい子だからよね」と言う
はっきりと言わなのならこれも優しさなのか
そう思った。
気づけば山と喋る人が増えてきた
と言っても私の友達数人だけだった
20何人いる中でだ。
でも良かった、山が少し嬉しそうだったから。
ある日の昼休み
教室に戻ると沢山の目がこちらを覗く
「山がお前のことすきだって!!」
「お前どうすんだよ!返事は!」
ちゃかす声
ああ、山はいつまでも山だ。
嫌なことをしてくるやつにも好かれようと、お願いされたことをやってしまう。
怖かったからもあるのだろうけど。
期待してこちらを見る山に嫌気がさした。
我ながら本当に私は性格が悪いと思った。
「ごめんなさい」
一言そう言った。
山は悲しそうな顔をして
「そうだよね」
とだけ
その日はまわりがうるさかったが何を言っていたか覚えていない。
それから少したった頃に山は転校した。
「いつも優しかった、喋ってくれるのはあなた
だけだった。」
なんだ、急に何なんだ
「あなたのおかげで今まで乗り越えれた。あり
がとう、好きでした。」
そう言い残して足早に帰っていった。
最後まで自分勝手な人だな
けれど、最後だけはちょっとかっこよかったよ。
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