メイド日記⑥
今日は待ちに待った旅行の日です。
私は秘密兵器を隠して荷造りを終えました。
キャンピングカーはやはり高性能で万全の準備ができているようでした。
キングベッドに猫ちゃん達を解放すると慣れたように丸くなっていたのが印象的でした。
よく猫を連れてキャンプに行くと言っていたのも納得でした。
ましろは少しびびっている様でしたが私の膝で大人しく丸くなりました。本当に可愛い子です。
途中で寄ったパーキングではちょっと高い串物などを食べました。
旅の醍醐味…。宗司さんの言っていたことが分かりました。確かにこれはハマってしまいそうです。
休憩を挟みつつ約2時間の移動でしたが宗司さんと色々な話をしました。
私がどういう経緯でここに来たかを宗司さんには聞かれませんでした。
きっと私から話してくれるのを待ってくれているのだと思います。
本当に優しく、気遣いのできる人…。
私はまた彼が好きになってしまいました。
それに私と一緒に色々な事をしたいと言ってくれました。私はきっと彼に何回も恋をしてしまうと確信してしまいました。
旅館の丁寧な対応にはびっくりでした。
猫ちゃんのキャリーケースを大事に運んで頂けた際には、またここに来たいと思ってしまいました。スタッフ一人一人が家族である猫を丁重に扱う姿勢に感激しました。
大浴場も大変立派でした。
ゆっくり浸かっていると女子のグループの会話が聞こえてきました。
「めっちゃイケメンいなかった!?」
「背が高くて服の上からでも鍛えてるのがわかる人?」
「そうそう。私声かけてみようかなぁ。ワンナイトラブって言うのもアリじゃない?」
「やめなよ〜。ここに来る男性は妻子持ち多いんだからさぁ。」
「えぇ〜。」
ここまで聞こえて宗司さんだと確信しました。
私は彼女たちより早く出ないと宗司さんを取られてしまうと焦りお風呂を出ました。
もやもやして気が急いてしまいます。
私が出るとちょうど宗司さんが向こうから歩いてきました。
付き合ってもいないのにはしたなく腕を組んで欲しいとお願いすると宗司さんは腕を組んでくれました。
その時、やっと私は安心できました。
冷静になって宗司さんの様な素敵な男性が私を1人にするわけがないと気づいて、私は自分を恥じました。
ご飯を食べた後、私はそわそわとしていました。今からはしたないお願いをしに行くからです。でも今は旅行中、家ではできない我儘を聞いてもらえるかもしれません。
緊張からドキドキして頭が痛くなってきました。よし!もう行くしかない!
私が声をかけると宗司さんがキョトンと私を見ます。その表情も可愛い…。違う違うと首を振ります。
「一緒にお風呂に入りましぇんきゃ?」
完全に噛みました…。もうダメだと思いました。頬が熱くて思わず俯きます。
でも宗司さんは了承してくれました。
この時の私の気持ちは言葉で表現できません。
私は用意していた水着を差し出しました。
本当は直接触って欲しい。きっと好きな人に触れられたら嬉しくて泣いてしまいます。けど今はまだその時ではありません。
私がお風呂に入ると宗司さんが腕を広げてくれました。てっきり背中合わせかと思ったのですが嬉しい誤算です。後ろから抱きしめてもらえるなんて幸せすぎます。
私が幸せの絶頂に浸っているとお尻に硬い感触を感じました。
私に興奮してくれたのが嬉しすぎて少し誘うような事を言ってしまいました。
でもやっぱり彼は素敵な男性でした。
誰よりも優しい人。私は改めて彼に好きになってもらえるように支えようと思いました。
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