02_お兄ちゃんの……ざ~こ

左 : 遠 : ちょっと嬉しい

「ひんやりマットは、どこかな~」


 効果音 : ゴソゴソ(段ボールの中から大きめのマットを取りだす)


左 : 遠 : やや大声

「ラッキー。一番上の段ボールに入ってた。お兄ちゃん。ほら。ひんやりマットあったよ」


左→前 : 遠

「それと、さっきマックドで買った袋はどこに置いたっけ……。あった、あった」


 効果音 : ガサガサ(ドリンクが入ったビニール袋を取る)


 響は左手にマックのビニール袋を持ち、右手でひんやりマットを引きずりながら近寄ってくる。


 効果音 : ボフッ(響がひんやりマットから手を放して床に落とす)


前 : 近

「ほら、ひんやりして気持ちいいから、こっちに座った方がいいよ」


 効果音 : ゴソゴソ(僕がひんやりマットに座る)


前 : 近 : 少しだけ驚く

「あれ。珍しい。お兄ちゃんが、響の言うことを素直に聞いた――」


前 : 近 : まったく怒ってはいないけど、軽く抗議

「――かと思いきや、ねー。真ん中に座らないでよ。普通に考えて、並んで座る流れでしょー。私だってひんやりマットの上がいいよ。私を床に座らせる気?」


 響が顔を近づけてくる。


右 : 耳元 : 圧強め

「ど、い、て」


右 : 耳元 : 嬉しい。メスガキっぷり強め

「あはっ。ビクッとした」


右 : 耳元 : ささやく

「耳を噛まれると思って、驚いた? お兄ちゃんの……ざ~こ」


 効果音 : ゴソゴソ(僕は屈して、左に移動する)


右 : 近

「よし。これで私も座れる」


 効果音 : トスン(響が僕の右に座る)


右 : 近(二の腕が触れる距離) : くつろぎ脱力

「えへへ。お兄ちゃんのトナラーになっちゃった。電車だったら、バッドマナー響? でも、お兄ちゃんは嫌がったりしないからセーフだよね。はー。ひんやりマット気持ちいー。ほら、これ。氷が完全に溶けきる前に飲もー」


 効果音 : ガサガサ(響がビニール袋からドリンクを2つ取りだす)


右 : 近(二の腕が触れる距離) : センシティブ声でからかう

「あっ……。もうこんなに濡れてる……。びちょびちょだよ……。いっぱい、垂れてきた……」


右 : 近(二の腕が触れる距離) : 驚いてドン引き

「濡れてるのはロリのケツ?! いきなりどうしたの、お兄ちゃん、それは響もびっくりのライン越えだよ?! ……え? ケツロリでしょ。ケツロ?」


右 : 近(二の腕が触れる距離) : 軽い困惑

「……あれ。これ、どっちがコーラで、どっちがコーヒー? シュワシュワ終わったから分かんない……」


右 : 近(二の腕が触れる距離) : 軽く慌てる

「待って。お兄ちゃんはどっちでもいいかもしれないけど、私はコーヒー飲めないの」


右 : 近(二の腕が触れる距離) : おそるおそる

「んー。とりあえずこっち……」


 効果音 : シャラッ(ドリンクの氷が振動する音)


 効果音 : ズズッ……ゴクンッ(響がストローでドリンクを一口飲む)


右 : 近(二の腕が触れる距離) : 苦い物を飲んでテンションダウン

「うっ……。コーヒーだった。あげる……」


右 : 近(二の腕が触れる距離)

「えへへ。私コーラァー」


 響は僕にアイスコーヒーを押しつけ、コーラを飲み始める。


 効果音 : ごくっごくっ(響がストローでコーラを飲む)


右近(二の腕が触れる距離) : 喉が潤って上機嫌

「んっ、んっ、ぷは~っ。体を動かしたあとの冷たい物は最高~っ。いや、私は荷物運びのお兄ちゃんを応援してただけだけどさ。『頑張れ、頑張れ、お兄ちゃん。頑張れ――っ』てハンディ扇風機で風を送ってあげたの、アドだったでしょ?」


 僕は正直に「うん。涼しかった。ありがとう」お礼を言う。


右 : 近(二の腕が触れる距離)

「えー。えへへ。どういたしました」


 効果音 : ごくっごくっ(響がストローでコーラを飲む)


右 : 近(二の腕が触れる距離) : 上機嫌

「お兄ちゃん。お礼のお礼してあげるから、耳すまして。右と左、どっちがいい? 右? じゃ、行くよ」


 効果音(右耳元) : ズズッ! ズズズズーッ!(残り僅かのコーラを飲み干す音)


右 : 近(耳元) : 上機嫌

「お兄ちゃんの脳、吸っちゃった。えへっ。……こういうのが好きなんだよね? お兄ちゃんの……へ~んたい」

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