第3話 遺して死にゆくもの
天高く聳え立つ本棚が幾重にも並び、見えなくなるまで奥深く続く壁には一定の間隔で真円の窓が取り付けられている。その窓の一枚一枚は、絵画のように異なる様相を写していた。ここはカミが建設した図書館であり、彼がとりわけ気に入った場所であった。自由に開放されており、知性と思想、文化を重んじる神や世間話の好きな者の憩いの場にもなっていた。
だが、カミが一歩でも足を踏み入れると、その姿を見とめた神々は読書や学習、お喋りをやめてその場から離れたところへ行ってしまう。この日も逃げるように去っていく神々を横目に、カミは堂々とその歩みを進めていく。しかし、今回はその後ろを、小走りで必死についていくセインがいた。
セインはカミに、父親であるアストライオスの姿を見ている。その生き写したように華奢な背中は、なぜか本物よりも大きく、そして深い寂しさを抱えているように思えた。
段々とカミの歩行が遅くなるにつれて、セインのペースも大股歩きに変わっていった。カミの顔を後ろから覗き見ると、美術館でゆっくり絵を眺めるときのように、窓の外を一つずつ見定めていた。セインの顔も自然と窓の方に向く。
ある一枚の窓の外では、目と唇がタコのように飛び出した、薄緑色の肌を持つ奇妙な二人組が、何かを企むように話し合っていた。噂で聞く「悪魔」みたいなひとたちだ、とセインは思った。二人がいるのはどうやら宇宙船のようで、望遠鏡をかわるがわる覗いている。その接眼レンズは、不自然な程にこちら側に向いていた。まさか、と胸を弾ませて、レンズに当たる穴に目を近づける。その向こうには、綺麗な青さを持った星が焦点に据えられていた。セインは感嘆のため息を漏らしながら、無意識にも慣れた手つきで指先を動かした。レンズ越しに見える景色は青い星へと向かっていき、ついに星に張り付いている陸地のようなものの様相がわかるくらいに近づいた。ぼやけた焦点を合わせると、粒のように小さい何かが、跳ねるように蠢いている。それは星の住民らしかった。星には雪が積もり、小さい粒が楽しそうに遊んでいる。星全体の雰囲気が静かながらも明るく見えるのは、どうやら冬の夜を祝う祭りを行っているためらしかった。しばらく見とれて動けなかったセインだったが、ふと優しい呼び声がして、顔を上げるとカミが立ち止まってこちらを向いている。慌てて立ち上がって、カミの元へと駆けていった。窓の外の二人組は再び望遠鏡を覗いて首を横に振ると、青い星から宇宙船を遠ざけるのだった。
カミに追いつこうと足早になるセインだったが、窓の前を通り過ぎるたびに、一つひとつ違った様相を見せる外の景色に思わず立ち止まった。ある窓の外では、酒太りした不健康そうな青年と悪魔のような人物が噛み合わない会話をしている。別の景色の中では、着飾った女性が楽しそうな面持ちでデパートを練り歩いていた。彼女は食器店でフォークを手に取ると、あたりを見回して鞄にフォークをさっとしまった。セインだけが、鮮やかな手腕の万引きに気づいて声をあげそうになった。
そうして、どの窓を見ても後ろ髪を引かれる心地でいたセインは、ついにある窓の前で再び立ち止まってしまった。その外側では、宇宙船を前に老獪な男と血気盛んな青年が口論をしているのを、痩せ細った人びとが群がって眺めていた。年配者と青年の、おそらく宇宙飛行士。歳差のある宇宙飛行士の男たちの姿は、セインに馴染みのある既視感を与えた。口論の末に、年老いた方だけを乗せた宇宙船は空へと放たれていってしまう。若者の方は、空の彼方を見上げながら満足そうな顔をしている。――なぜ、どうして一緒に帰らなかったんだ?――セインは一人でに胸をぎゅっと押さえた。手を伸ばすように窓に触れたそのとき、窓全体が一瞬のうちに暗転した。驚いて手を引っ込め、黒い窓をまじまじと見つめた。そこには一つの文字の羅列が浮かび上がった。
『Ua-7-196212』
『それはワールドコード。いわゆる世界のほんとうの名だ』
振り返ると、いつの間にか引き返してきたであろうカミがいた。カミの指が窓に触れると、再び景色が開けるように現れた。今度は宇宙船の中で老人と若者が口論をしている。セインは胸を撫で下ろすと、カミに向き合った。
「ワールドコード……。世界にも名前があるのですか」
『そうだ。自ら名前をつけるアヴァタールが多いが、魔術師に本名があるように世界にもほんとうの名というものがある、らしい』
カミの指が何度も触れて、暗転する。羅列が現れ、世界の様子が見える。
「でも、僕が先ほど覗きながら触れたときは、このコードは現れませんでした」
『世界そのもの、またはアヴァタールが
セインの胸に、ひやりとしたものが流れた。
「では、この景色は――」
『私がつくったジオラマだ。おまえが触れたというものは、魔術師ライマンの力を拝借し、あらゆる
ジオラマと生きている世界、半々といったところだろうか、とカミは淋しげに笑う。
セインは窓の外に、宇宙船が侘しい星に降り立ったのを見つめた。再三口論をする宇宙飛行士たちも、貧しい住民が暮らす星も、それらがあったはずの世界そのものが、すでに存在しない。けれども、青い星が見える望遠鏡や、悪魔のようなひと、盗みを働いた女性は、今もどこかの世界で存在しているという。この部屋の無数の窓は、どこかにある生きた世界も、かつてあったのに殺されてしまった世界も、景色として写し出す。そうやって近くに見えるのに、セインにとってはまさしく遠い話に思われた。
『――世界の窓。おまえにとっても他人事では無い筈だ。こちらへ。おまえに見せたいものがある』
カミの手招きに応えて、セインは先に進む。誰も見る者がいなくなった窓の外で、またしても宇宙船が若い飛行士を置いて去っていく。そうして、ジオラマはかつて生きていた世界で起きた出来事の再現を何度も繰り返すのだった。
それは隣の窓だった。外の景色を見て、セインは思わず息を飲んだ。
それは見慣れた光景だった。凍らせた星をいくつも散りばめた空間、その暗い色。ただ広い宇宙空間のほんの一部を切り取った真円の窓、その中心で赤い光が不規則に点滅する。セインは恐る恐る中心に触れる。窓ガラスの冷たい感触が、指から伝わってくる。窓の景色は暗転しない。そのまま、色とりどりの点描を幾つも散らせた黒い空間のまま変わらないでいる。当然のことだ。それでもセインは安堵した。
それは、セインの世界だった。セインがアヴァタールとして創造した、宇宙で構成された世界だ。
しばらく見惚れていた。いつも見ている景色だが、自分のつくった世界というものはやはり格別に愛おしい。それが幾光年か離れた、この場所から眺めることができるとは。やがて望郷のようなものに駆られたセインの指は、星の座標を線で何度も辿り、それでも最後は中心の赤い光に帰結した。
何かが肩に触れた。ゆっくり振り返るのを制するように肩を掴んで立つカミは、セインの耳元にいつもの優しい声で囁いた。
『おまえもアヴァタールだ。だから議会に呼び出した。このままでは、おまえもあいつに狙われてしまう。だが案ずるな。私が守ってみせよう。おまえも、アストライオスも』
「ありがとうございます。……でも、なぜ僕にここまでしていただけるのです」
だって正直、不平等だ。それに、僕は神さまでもない。それなのに、カミに世界を与えられ、アヴァタールとなった。セインは窓の外を見つめ続ける。――改めてアヴァタールであることを自覚させられてしまうと、世界を所有し、つくり上げるということ、そして世界と事実上、命を共にするということに息が詰まってしまうのも事実だった。だから、自分の世界は父親とカミと同じく、宇宙をベースにしたものであるけれど、そこに生まれた星は氷とか岩石とか、おおよそ生命も生まれそうにない、単一の要素でできたものばかりになった。――あの赤い光がやってくるまでは。
『おまえは天文学的確率を司る』
黙ったまま俯くセインの心中などわからないのだろう、カミは肩を掴む腕に、より一層力を込めた。
『天文学的確率。それは奇跡の数字だ。奇跡が起こる可能性を秘めた数字。私は見てみたくなったのだ。奇跡で動く世界を』
セインは腕につけた天球儀型のコンパスを後ろ手のまま握りしめた。様々な宇宙現象を観測し、その頻度を調査する、というのがセインの役職であった。宇宙で起こる現象――超新星爆発やブラックホールの出現といったものは、通常、途方もない年月に一度訪れるのみである。コンパスはその奇跡の一度を拾い上げると、くるくると回りながらセインに知らせるのだ。――ちょうど今、回転の感触があった。カミが窓をなぞると、火球がエネルギーを辺り一面に撒き散らしているのが見えた。まさしく、星が生まれたところだ。セインが世界をつくり始めた頃から、コンパスの回る頻度は極端に増えていた。セインの世界では、生まれたばかりの宇宙であるということを鑑みても、何故だか宇宙的現象が頻発していたのだった。窓からセインの世界を見た神々たちが、すごい世界だ、珍しいものがたくさん見れる、と褒めてくれても、セインにはやはり実感が湧かなかった。――頻繁に起こる奇跡、それは奇跡といえようか?セインが周囲の神々に引け目を感じてしまうのも、その懐疑が一因であった。
それでもカミは窓を再び、手繰るように器用に操る。
『そうして――あの宇宙船がやってきた』
中心にあの赤い光が戻ってきた。景色が段々と光に近づいていくと、赤い光を発しているそれは小さな宇宙船であった。宇宙船は巨大な星の合間を縫って浮かびながら飛び続けている。だが、年季の入った船の船尾部には立派な穴が空いていた。噴射口から出る微かな炎とともに、塵のように小さい部品を撒き散らしながら僅かな推進力で進み続ける船は、それでも見えない程度に速度を落としていった。
景色は船の表面へ、さらに近づいていく。一瞬間、窓一面が白く染まったかと思えば、また暗くなった。黒々とした冷たい全景が星の明かりひとつ映し出さないのにセインはひやりとしたが、やはり幸いにもワールドコードは現れなかった。それに、明かりがなくても気配は感じられる。夜目を効かせるように凝らして見ると、大きな荷物、広げられたトランプと酒とつまみ、そして――一対の操縦席で毛布に包まりながら静かに眠る二人の飛行士。
この二人こそ、セインが自分の世界について抱える、最大の悩みの種だった。セインの宇宙には、生物は存在しない。そう調整したはずなのに。コンパスは回って、宇宙飛行士たちは突然にも出現したのだ。彼らを乗せる船は見知らぬ宇宙を、最初から壊れていた躰で今でも静かに飛び続けている。
セインは、毛布から覗く顔を一つずつ見やった。機長席には浅い皺が刻まれた白髪混じりの初老の男。もう一方には、まだまだ青さの見える年若い男。先程の別の宇宙でも見たのと同じく歳差のある二人組だったが、口論をするでもどちらを置き去りにするでもなく、共に静かに眠っている。
『――あの二人は、元々アストライオスの世界に生まれた人間だった』
セインは驚いたように振り向いたが、次にはもう納得していた。父からも聞かされていない、初めて知る事実だったが、絶望的ともいえる状況を前に眠ることしかできないような諦念と無力さを持った――そういった人間は父かカミの世界にしか存在しない。だからあの二人は、どちらかの世界の人物だろう。セインは予めそう推察していた。けれども――、
「世界間を跨ぐ移動は不可能のはずです」
『私もそう考えていたが、おまえのコンパスが回り、あの宇宙船が飛来した日。アストライオスの世界であの船に隕石が衝突した次の瞬間には、おまえの世界へ飛ばされていた』
偶然、なんらかの力が発生したのかはわからない。だが、私は確かに観測した。カミは念を押した。
セインはまた、窓の景色に向き直る。赤い尾灯をちらちらと発する宇宙船、それに乗り込む二人の「人間の」宇宙飛行士たち。人間に限らずだが、生物というものは僕たちみたいに、永遠ともいえる長い時間を超えて生きることができない。だから、自分の世界に生物が発生するのが嫌だった。生きるものの、生き抜いたその先を――知識としてしか知りえないその先を、実感するのが苦しかったのだ。
それなのに、カミは懐にしまっていたものをセインに否応なく突きつける。それは飾り気のない白い紙だった。二つに折り畳まれたそれをセインが開くより早く、カミが口を開いた。
『これは遺書、という。若い方が遺したものだ』
「遺書?」
『ああ。死にゆく者が生きてゆく者に遺す手紙。それが遺書だ』
「では、二人はもう……」
セインの手が震え、紙に皺が寄る。虹のような彩りを持ったカミの瞳が微かに震えた。アストライオスの姿こそしているが、セインにとっては初めて見るような父の顔だった。
『奇跡的にこちらへやって来たが、もう戻ることはできない。船も壊れている。二人も悟ったのだろう。このまま知っているようで知らない冷たい空間で、身が朽ちるまで永遠に眠るのだと』
それは「死」を意味する。自分の世界に死という概念が現れてしまった。ありきたりな薄い紙一枚が、重く感じられた。
『アヴァタールたちが創造した世界の多くは、そこで起こった出来事を何度も繰り返している。だが、おまえの世界は違う。おまえのものには変化がある。多様な星がいくつも生まれ、何度も爆発する。そして、あの二人。いずれ朽ち、死にゆくものたちだ。おまえの世界には生死があるのだ。だから――あまり言ってはいけないかもしれないが、私はおまえの世界を気に入っている』
そして、カミの達観は死を恐れず、哀しむこともないのだろう。それどころか、生の果ての変化と捉えている。――だからカミは、父の世界に発生した生物たちに、人間に肩入れしているのだろうか?父の世界を模倣した世界を創りながら、その世界の中心に超自然的な力を持たない人間を据えるほどに。人間の無力さは父から飽きるほど聞かされてきたが、そのまま死へと変化していく存在のことを、セインはほとんど知る由もなかった。けれども、自分の世界に人間が現れた以上、人間というものに、それが迎える死というものに向き合わなければならないだろう。それがセインには恐かった。
『案ずるな。私はすべてのアヴァタールたちを――世界を守ると誓おう』
真剣な面持ちで手紙を握りしめるセインの肩に、カミの手がそっと置かれる。目を合わせると、その瞳の深い色に、セインは吸い込まれそうになった。ふと、セインの脳内にある考えが過った。――カミは、本当に恐くないのだろうか。神々を、世界を殺してしまう存在が出現した今、カミ自身も死の当事者だ。カミが屠られれば、彼が愛する人間たちも消滅してしまうはずだ。カミなら神殺しのことをどうにかできるだろうに、なぜ野放しにしているのか?
二者の間に流れる暫しの静寂を破るように、ヒールの靴音が室中に響きながら近づいてきた。セインの肩越しにカミが相手を見ると、それはかつての議会で長を務めた女神であった。
お取り込み中失礼致します、と囁きながら、女神は裾を持ち上げ足を折る。そしてカミとセインを交互に見ながら、声を顰めるようにして告げた。
「神殺しの者が逃亡しました。先程、アヴァタール一柱の突然死が確認されました」
女神はカミの反応を見た。かつてないほどに大きく見開かれた目は、沈むように目線を落とす。女神もまた、瞳だけではカミの真意を読み取れなかった。張り詰め出した空気を破るように息を一つ吐くと、言葉を続けた。
「明日、裁判所にお越しください」
カミとセインの世界視察はこれでお開きとなった。名残惜しそうに微笑むカミは、セインの手にある手紙を指さしながら最後に一言付け加えた。
『あの二人はすでに、おまえの世界に存在する者たちだ。それはおまえに託す。アストライオスに渡すよりはずっといい』
その夜、セインは眠れなかった。自宅に帰りたくもなかった。自分の世界を写す窓のそばで、立っては眺め、座りうずくまる、をずっと繰り返していた。皺だらけになった手紙を手に、引っ張り出してきた毛布に全身を包む。
セインは胸元に手を添えた。緩やかな自分のいつも通りの鼓動の奥に、分刻みで不安定な拍子がいくつか聴こえる。それはあの宇宙船の赤い光の点滅、そして二人の飛行士の、ほぼ機能しなくなっていった心臓の音。大丈夫。宇宙船はまだ動いていて、二人の人間はまだ生きている。ああ、やっぱり僕は二人に、永遠に生きていてほしいのだ。でも――、セインはまだ手紙を開くことができない。
思えば、なぜ自分はあの赤い光を、二人の人間が乗った宇宙船を世界の中心に据えたのだろうか?
――やはり、自分も心のどこかで、生というものに焦がれていたに違いない。ただ、その対極にある死というものを恐れ、忌避しているだけだ。生きるものの行く末は死である。生と死というものは反対側にあるはずなのに、いつも隣り合わせらしい。そういった生死という概念のことを知ったつもりでいた。だが――、脳裏にあの岩石頭が過った。
いつしか固く閉じていた瞼が、ぱっと見開かれた。
セインは今になってやっと、自分の生を実感したような気がした。
生きるものに死が訪れるように、だからこそ、死が生を息づかせるのかもしれない。
セインは手紙につけてしまった皺をゆっくり伸ばした。これは、死にゆく者が生きてゆく者に遺す手紙。カミの言葉を反芻する。一枚の紙切れが、未だにこんなにも重たい。けれども、死に向かっていく人間がさいごに遺した言葉の生の輝きを、セインはどうしても知りたくなってしまった。
遺書をゆっくりと開く。図書館の暗がりの中で、側に寄り添う窓の外、赤い光が電燈になって紙面が照らされた。若い飛行士との鼓動の律が、初めて調和した。
〈お父さん、お母さん。私のロケットは、いま隕石に衝突し、事故をおこしました。もう助かりそうにありません。もう一度お会いしたいと思いますが、それも無理なようです。しかし、あまり悲しまないで下さい。私は子供のころからあこがれていた宇宙に出られ、そこで死ぬのです。私は満足です。では、どうぞお元気で。さようなら〉
「さよなら」
手紙の締めの一言を、セインは短く呟いた。拙い文字が、零れ落ちてきた水溜りに滲む。窓の外、点滅し続けている赤い光に縋るように、手紙を、遺書を胸に抱き留めた。
セインは今、生きている。
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