解説
ここから下はネタバレしまくりの物語解説となります。
自力で何かしらの考察をしてから答え合わせをするのがいいと思います。
そして、解説とは書いてありますが無機質な解説文ではなく作者である自分が雑談しているような書き方をしているので悪しからずでお願いします………。
余韻を壊したくないので先に言っておきます。いいねやレビューをしてくれると泣いて喜びます。
↓ここからスクロールすれば解説があります
まず、『貴方』と呼ばれている人物……まぁ『雪菜』っていう名前の設定があったんですが、まぁ色々とめんどくさいことになってしまったので、貴方だけで書かせてもらいました。『私』は花苗という名前ですね。裏設定というやつです。
それでは色々とこの物語について解説していこうと思います。
重要なこと。
雪菜はいじめを受けており、自殺しようとしていました。
まずこの物語の視点について。
『貴方』と『私』はどちらも雪菜ではなく、花苗の視点となっています。
彼女という表記になっている場所は、
雪菜の状態ではなく自分の状態を表していたのです。わざと『彼女』という代名詞を使ってね。
Lvというのはその名の通り、Levelを表しています。それじゃあ、なんのレベルなのか?
雪菜を止めようと説得する気持ちのレベルです。
花苗は徐々に自分の行為が無駄だと気づき始めている。それを表しているわけです。
素早さというのは、雪菜が色々と言ってくる花苗に対して、振り切る、そして早く屋上に行くために歩く速度を高めるので、花苗も必然に歩みの速度を高めます。
Hpというのは『Hope』の略です。花苗は自分がやっていないとどんどん思いたくなってきているのです。それはだんだんと暗示から願いへと変わっていくのです。
私じゃない私じゃない……から、私じゃありませんように…ってね。
Mp……というのは、『Mad point』。花苗がだんだんと気がおかしくなっているということです。これが強化されるということはね……。
そりゃね?だんだんと気がおかしくなってくるでしょう。
しかし花苗は心のどこかでそんなことを自覚したくなかったのかもしれません。
だから、自分のことなのに彼女と他人事にすることで少しでも罪の意識から目を背けたかった……。
『貴方』で出てきました『他人』ですが、
それは、花苗の友人で、雪菜の友人でもあった人物です。
しかし、あの日。あの日、『他人』は彼女がいじめられているのを見ていないふりをした。助けなかった。だから雪菜にとってはもはや他人だと思われているのだろうと。そう思っているのだろう……そういうふうに花苗は解釈したわけです。
8181ダメージ………語呂合わせで『バイバイ』。
ハートとハートという部分では、実際に描かれてはいませんが、理性というハートと、もはや死にたいというハートが争い、頭を雪菜が抱える場面に遭遇したわけです。しかし、少しすると彼女から迷いのような顔が消えたので、彼女はきっと理性という歯止めを完全に無くしたのだろうと解釈したわけです。あの『XXX気持ち』というのは、足を止める気持ちだったというわけですね。
『親(幻影)』。
突然雪菜が「親じゃない!!」などと叫んでいたことから、親の幻覚を見ているのだろうと花苗が解釈した場面。
頭の中できっと語りかけてくるのでしょう。理性が消える前に最後の力を振り絞って、雪菜を止めるために……生み出した親の幻影が。
しかし雪菜の記憶がそれをかき消します。
20020002ダメージ………現在3階にいるので、3進数で変換すると、『4538』という数値が出てきます。これは、今まで親に暴力を振られて来た回数を表しています。
親をかき消し完全に理性が消えたおかげで花苗は彼女を止める術で強力な術を失ってしまいました。それにより色々なものが大幅に変動したのです。
しかし素早さは弱化されました。それは、彼女の体が……死の恐怖で足が動かなくなっているのです。しかしそれも時間の問題。理性がいない今、彼女はだんだんと足を動かしてしまいます。
屋上に吹く強風……花苗の声など雪菜にとっては屋上に吹く強風のような風の音程度にしか思っていないのでしょうと花苗は解釈しています。
しかし黙って見ているわけにはいきません。花苗は飛び出しました。
しかし『あんたなんて友達じゃない!!』の一言によって貴方は動くことができなくなってしまいました。
102503151807ダメージ……これを五十音順にすると…………
『この嘘つき』になります。あが1、いが2……ってやってくわけです。
彼女たちは一生友達でいようと言ったのに……花苗は破ってしまったわけです。
そして……雪菜は夕陽を眺めながら……地上へと落ちていき。
人生という旅を終えました。
『屋上クエスト』
ニューゲーム
などと書かれていたところの『おわる』はその名の通り、人生を終えました。
もしかしたら、彼女は輪廻転生ですら終わってしまったのかもしれません。彼女の魂はもはやすでに傷つき……消耗しすぎてしまったのですから……。
貴方にて、
最初のバッシャーンというのは終わり際のバッシャーンとも関連がありますが、クラスのリーダー的なやつに強制敵にやらされてしまった雪菜へのいじめです。もちろんやったのは花苗です。
屋上クエスト!
ニューゲーム・罰
というのは、新しく人生を始めるのも、続きからもどちらも罪であるということを花苗が自覚しているからこのようになっています。
終わるのは許されないのです。今の状態では。
雪菜が歌っている、『ルー』というもの。
これは実はモールス信号になっています。
長い方を解読すると、「誰か助けて」という文章になります。
短い方を解読すると、「SOS」となります。
そして、雪菜の吹き出し?が「」と『』に変わるタイミングがあります。
私ではもう『』でした。これはどういうことかというと、彼女を救えなくなってしまうタイミングです。「」はまだ救うことができました。『』はもう救えないのです。
花苗の髪飾りは……雪菜からもらったものです。皮肉にもそれが彼女を苦しめているなんて……。
そして、綺麗に歌っていた雪菜の声が少しおかしい感じがした花苗は彼女が死のうとしていることを知ります。そして『私』へとつながります。
実際に、♪がなくなっていますしね……。
貴方は私の視界から消えた…….つまりは飛び降りたということです。
ニューゲーム・許さない許さない………
というのは、花苗がそう言われているような気がするということを表しています。
自分はこんなに辛かったのに……貴方だけ始めることも続きからも許せない。
終わるなんてもってのほかだ。
苦しめ。そう言われている。
そして花苗はどんどん苦しんでいきました。
彼女に記憶にいつもあるのは、彼女に対していじめをした、
バケツ・掃除・水・裏切り・罰ゲーム
リーダ的存在によって罰ゲームとして、友人に掃除中バケツに入った水をかける……という裏切り行為。そんな記憶が花苗の心を蝕んでいく。
ごめんなさいと謝っても、頭では許されないとわかっている。
そして花苗の願いは完全に消えた。
これは許されるわけがないと。許してもらえるはずがないと。
そう花苗は心の底から思ってしまった。
TPというのは二つの意味があります。
『Tear pain』……(心が)裂ける痛み。
『tablet package』………錠剤の包み。
それが増えたんです。花苗は心が蝕まれ、痛みは増し。
それを和らげるために花苗は精神安定剤を大量に摂取するようになった。
……しかしそれは長続きしません。金は尽きますし、効き目は悪くなりますから。
誰かと、最後に助けを乞うもそんな都合のいい話はありません。
この苦しみは花苗にとってはもういやと言いたくなるほどの苦痛。
そして………いじめ。雪菜に起きた悲劇は伝染していくのです。
バシャーン。
いつぞやの自分と同じように……友人に水をかけられる花苗。
もはや信じるものがいなくなったその時。
同じ結末へと走ってしまう。
しかし彼女は飛び降りをした直後、まだ生きていた。
ニューゲーム。
続きから。
彼女は、助けを呼びことができた。呼べば助かったかもしれない。
しかし………
彼女はそんなことをすることはもうできなかった。いや、したくなかった。
彼女は苦しみながら、その旅を終えた。
そして天国か地獄かもわからぬその場所で。
再会を果たす。
彼女はきっと涙を流しただろう。
ようやく許されたのだから。
ただこの物語はまだ終わりではない。
花苗に水をかけた友人も。
もう蝕み始めているのだから。
屋上クエスト! 桜田かける @sakuradakakeru
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