初期コンセプトと初の長編

【初期コンセプト】


「陰キャの俺、ギャルと付き合う事になったけど思ってたのと違う」


ラブコメの典型的なタイトルです。

空想や願望ではなく、それが現実に起きたとしたら。

それが第一コンセプトでした。



過去を振り返り、抽出したテーマが

「格差恋愛に傷つき、蝕まれてゆく」 

です。

可愛い子と付き合えば、

それだけでハッピーになれるほど

現実は単純ではありません。




浮かんだのが、ギリシャ神話の「イカロス」でした。


高揚感に羽ばたき、太陽に近づくほど、

その熱は強くなり、自らを滅ぼしてゆく。

だが、衝動は止められない。

そんな愚かさ、哀しさをタイトルに込めました。



最初に長文タイトルを付けたのは、

逆に失敗だったと、今は思います(^^;)





【テーマ】

Eternal-Heart は何を描く作家なのか。

痛いくらいの哀しみが伝わる物語。

それを軸としました。


一人称一人語り、ハードボイルド文体。

高校生とは不釣り合いながら

エタハの作風全開!で書くと決めました。




【初の長編に挑む】 

今まで勢いで書ける、掌編しか書いた事がありません。

お題企画に、200文字で挑むような書き手です。

初の長編(正確には中編)に挑む事となりました。



作品のニュアンスから、苦手な高校生設定にせざるを得えません。

出会い、交際、別れ、再会。

4部構成の、大まかな全体像(あらすじ・プロット)を考えました。



レイモンド・チャンドラー方式を採りました。

数話の掌編を組み合わせて、一つの短編を作ります。

それを一話に構成し、その短編を連続させる事で、

本作を綴りました。




【執筆前に読んだ本】


・明るい街へ 北方謙三


デビュー前の純文学作品です。

人の弱さ、愚かさ、苦悩を物語に込めた小説です。

同時にデビューの当てもなく、書き続けていた北方先生自身の苦悩も感じられました。

芸術としての表現描写、という純文学たるものを知る事も出来ました。



・真夏の葬列 北方謙三


初期の作品で、ハードボイルド純文学青春小説。

若者の一途さ、愚かさ、やるせなさを描いた作品です。

久し振りに再読したら、すぐ思い出しました。

18、9歳の頃、何度も読み返すほど、好きだった事を。

この小説も、エタハの原点の一つだと改めて気付きました。



・女のいない男たち 村上春樹


映画『ドライブマイカー』原作の短編集です。

初めて読んだ、村上春樹先生の作品です。

スカして、ひねくれて、面倒くさぁ~な小説なのに

スムーズに読み進めてしまう、不思議な感覚でした。

文章表現に、シンパシーを感じたのかも知れません。

(俺って村上春樹タイプなの……)

本作を執筆する際の、ためらいを外してくれた作品でした。



本作を執筆するにあたり

表現描写にもこだわろうと思った三作品です。

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