爺ちゃんと近所のおじさん

フィステリアタナカ

爺ちゃんと近所のおじさん

≪九番バッターですが、打率四割五分〇厘と本大会絶好調の田中。おっと、ここで歩かせますか。これで二死一三塁――≫


 夏休み。僕は家族と一緒に爺ちゃん家へ行く。爺ちゃん家に着くと、ラジオで高校野球の実況を聞きながら、爺ちゃんと近所に住むおじさんが縁側で将棋を指していた。


「5六 寿司? 爺さん、その手やめてくれないか?」

「6八 日本酒か 7七 焼酎でなんとか凌げるだろ? 若造」

「確かにそれなら何とかなるけどよぅ。手駒、緑茶しかねぇ。詰みじゃん」


 僕は爺ちゃん達のことを宇宙人だと思った。

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爺ちゃんと近所のおじさん フィステリアタナカ @info_dhalsim

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