蛍
@mare_mode
蛍
夜に外に出ると空にはたくさんの星が輝いている。
それを綺麗だと思えなくなったのはいつからだろうか。
当たり前だけど、空には星の数ほど星がある。
それが僕の気を減入らせる。
輝いている人が苦手だ。
声が大きかったり、笑顔が明るかったり、行動に迷いがなかったり、どれだけ天体が回転していようと自分の座標を間違えない人だ。
世界は光で溢れていてとても眩しい。
僕もかつては星に手を伸ばしたこともあった。
手が届けば自分も輝けるんじゃないかとあこがれたりもした。
でも、今はそこは思っていた以上に高くて遠いことがわかってしまったし、運よくたどりつけたとしても、光が足りないことを知っている。
周りに輝く光があると、小さな光はかき消されてしまう。
見えている以上に、空には見えない星がある。
だから僕は願ってしまうよ。
――消え去れ、すべての天の光。
ひとつ残らず死滅して、本来の宙宙の暗さを取り戻してくれないか。
そうすれば地上でわずかな光しか放てない僕でも、誰かに見つけてもらえるかもしれないから。
蛍 @mare_mode
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
はしりがき最新/藤堂こゆ
★22 エッセイ・ノンフィクション 連載中 52話
コンナ音楽堂 ~古今東西アルバム探訪~最新/真野魚尾
★62 エッセイ・ノンフィクション 連載中 87話
Fusion Cuisine最新/中原恵一
★9 エッセイ・ノンフィクション 連載中 46話
将棋について最新/exe0343
★5 エッセイ・ノンフィクション 連載中 5話
津多ノート最新/津多 時ロウ
★38 エッセイ・ノンフィクション 連載中 812話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます