@mare_mode

 夜に外に出ると空にはたくさんの星が輝いている。

 それを綺麗だと思えなくなったのはいつからだろうか。

 当たり前だけど、空には星の数ほど星がある。

 それが僕の気を減入らせる。

 輝いている人が苦手だ。

 声が大きかったり、笑顔が明るかったり、行動に迷いがなかったり、どれだけ天体が回転していようと自分の座標を間違えない人だ。

 世界は光で溢れていてとても眩しい。

 僕もかつては星に手を伸ばしたこともあった。 

 手が届けば自分も輝けるんじゃないかとあこがれたりもした。

 でも、今はそこは思っていた以上に高くて遠いことがわかってしまったし、運よくたどりつけたとしても、光が足りないことを知っている。

 周りに輝く光があると、小さな光はかき消されてしまう。

 見えている以上に、空には見えない星がある。

 だから僕は願ってしまうよ。

 

 ――消え去れ、すべての天の光。

 

 ひとつ残らず死滅して、本来の宙宙の暗さを取り戻してくれないか。

 そうすれば地上でわずかな光しか放てない僕でも、誰かに見つけてもらえるかもしれないから。

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