第3話再開
「誰が貧乳じゃコラァァァ!!」
森にその声が広がった、それほどまでに大きな声でメリアは叫んだ。
「あ、大丈夫だよ声とか広がらないよう結界張ってあるからね」
僕の心配は不必要だったみたいで、メリアさんが結界を張ってくれているみたいだ。それよりもメリアさんがあの子だとは思えない。
だって、あの子は僕の事を…考え事をしているとそれを遮るように目の前が光り輝いた。
気がつくとそこには見覚えのある人影が、
「おじさん!」
そう、あの子の父親にして隣の家に住むダンディなおっちゃんだ。
「久しぶりだね、零君今はレイかまぁ読み方は違わんがな」
つい最近まで聞いていたはずの声なのに、どこか懐かしくその優しい声に涙が溢れた。
今までは上手く自分の感情を制御できていたはずなのに、でも今はそれよりも泣きたい。ただそれだけだった。
(レイ君君の魂は傷つきすぎているよ、どうしてこんなにもだが今はそれよりも)
「レイ君?泣き止んだかい?ふふ寝てしまったね…疲れていたんだろうなぁメリア、レイ君を頼んだよ」
この子はまだ幼い、我々神と違って人の子であるレイ君は異世界へ渡るだけでも魂の消耗が激しいというのにあの国に連れていかれるとは思ってもいなかった。
その後も、目の前で人が亡くなるところを見ている。
この子は強い、だがこの子にはあいつとの約束もあるからここで死なせる訳にもいかないな…
僕は、いつも通り家族と過ごしていたはずだった…いつも通り過ごしていただけなのに、
なんで家族みんなが居なくなったんだろう。
思い出せないし、思い出したくないそんな気がする。
ここは何処なんだろう、分からない…でも分かることもある。
それは、ここが危ない場所だということ。
ここにいると僕が消えてなくなる、そんな気がしてならない。
そんな事を思っていたのだが、何やら光が見えてきた、この暗闇の中に光る1粒の光源を手に取ると……
「おはよう、レイ久しぶりに会ったって言うのに寝ないでよね」
夢?での記憶はなく目を覚ましたレイがそこにいた。
「うん、久しぶりだねメリアさんいや…メアリー」
この子は隣の家に住んでいた外国人一家の娘のメアリー、まぁややこしいからメリアって呼ぶつもりだがな。もちろんおじさんの髪も金髪だった。前世と同じ姿だったね。
「ふふ、やっと思い出してくれた」
まだ寝ぼけている僕は、またメリアの膝の上で眠りにつくことに…
また、暗闇に来た。先程まで忘れていた場所に…だが違う、先程には居なかった人が居る。
そこに居たのは僕の家族だった人達だ。
だが彼ら彼女らは、何も喋ることなく僕を優しく見守っている、そんな気がする。
「全く、約束は守るが親としての責任は果たしてもらうからな」
そう言い残し、おじさんはレイの頭を撫でた
また気がつくと目を覚ましたレイは、今度こそ目が覚めたようだ。
「おはよう、レイ君親父さん達に会えたかい?まぁとりあえずこれを」
そう言って渡されたのは金色で真ん中にはルビーのような紅く光る石が嵌め込まれたブレスレットだった、
「おじさん、これは?」
「これは、魔法使いが持つ杖の役割をするものだよ、これがあれば君は魔法を使えることが出来るまぁ練習は必要だけどね」
少し間を開けておじさんはこう続けた
「君の親父さんは、昔ね異世界転移させられた勇者だったんだその時に出会ったのが君のお母さんその大切な存在を守るために全てを手に入れた、それが君の親父さんだ、まぁ結局のところ禁忌を犯してこの世界から追放されて地球に戻されたわけだけどね」
だから、母さんは金髪の美女だったのか。
変に納得がいくが親父が禁忌を犯したとは、全然有り得すぎてもうどうでもよかった。
我が家の人はおかしい人が多かったからね!!
まぁこんなどうでも、いい話でも家族のことだし聞いておいて良かったと思う事にしよう。
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