第19話 占い人生ゲーム

所持金として、全員に千円札が5枚、合計5000円が配られた。


「誰から行きますか?」


「オルラちゃんから右回りでいいよ。」


オルラちゃん→リリア→おれ→コーデリアの順となった。


まずオルラちゃんがマス目のルーレットを回した。出た目は3。


小さなお手手で黄色のコマを移動させ、マス目の文を読んだ。


「えっと、王位継承権争いに巻き込まれて行方不明に……1回休み……」


「「あっ……」」


その場の空気が凍り付いた。このゲームは未来を変えない限り必ず当たってしまうから。


おれとコーデリアがオルラちゃんを励まし、気を取り直してリリアがマス目のルーレットを回した。出た目は5だった。


若い手でピンクのコマを移動させ、5マス進み、止まったマス目の文を読んだ。


「7年後に子供の魔法使いによって足が治る。30歳以上の大人から1000円貰う。つまり、お姉ちゃんとフランからかな。」


「子供の魔法使い……?」


「あと11歳プラスしてくれれば良かったのに。そしたら払うのはフランだけだった。」


リリアはコーデリアとおれから1000円貰い、7000円を手に取って自慢げに扇いだ。


次におれがマス目のルーレットを回した。出た目は1だった。


白のコマを1マス移動させ、マス目の文を読んだ。


「えっと、ジャレッドの秘密がバレて代わりに罰を受ける。2回休み?」


「ジャレッドの秘密ってなんだ?」


「し、知らない。」


ジャレッドの秘密と言えば、しかない。アムアでは違法のあのアイテム。


アレを使っていることが大魔法師様にバレる?いや、先にバレるとしたらルアだな。でもこのゲームは必ず……まあいいか。未来変えればいいし。


最後にコーデリアがマス目のルーレットを回した。出た目は7。


まめだらけの手で紫のコマを動かし、7マス進み、マスの文を読んだ。


「大陸の騎士試験に合格し、上級魔法も使えるようになってアムアの魔法使い兼大陸最強の騎士となる。毎回自分の番に千円もらう。」


「大当たりだね。お姉ちゃんの未来。」


コーデリアは満面の笑みを浮かべて本当に嬉しそうだった。


笑顔は意外と可愛いんだ。オルラちゃんには及ばないけど。


その後も色々なハプニングが起こり、コーデリアが1番早くゴールした。次にリリア、次におれ、最後にオルラちゃんがゴールした。


オルラちゃんは1番お金が無くて、借金のお陰で1番お金を持っていた。


久しぶりに遊んだからか、ついムキになっちゃった。止まったマス目はあまり良くなかったけど、ゲーム自体は楽しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る