第12話 騎士みたいな魔法使い

「……コーデリアさんって、どこにいるの?」


そもそもどんな見た目の人かすら聞いてないんだけど……。


師匠みたいな怖い黒髪と毒々しい紫色の瞳をした人……とか、女性以外にもう少しだけでも情報がほしい……。


それにしても、アムアは本当に小さな島ね。すぐに海に来れちゃう。それなのに、たくさんの小さな家がびっしり並んでる。


師匠の家もそうなんだけど、小さい家なのに中は四次元空間みたいに広いんだよね。これも魔法なのかな?


「……おや?これはこれは、噂の大魔法師様のお弟子さんかい?」


「……?」


熟しすぎた桃のような髪と薔薇の茎のような緑色の瞳をした男性。


この人は師匠の言っていたコーデリアさんではない。女性じゃないもん。


「こんにちは、フェートン王国第4王女の、オルラ・シュア・フェートンと申します。失礼ですが、お名前をお伺いしても?」


「ああ、私はシスル。アムアのしがない下っ端だ。」


この人は、なんだか不気味。あたしの直感がそう言ってる。


下っ端と言ってるけど、この人からは、師匠ほどじゃないけど、フランよりも膨大な魔力を感じる。


「あっ!そうだ!シスルさん、コーデリアさんという女性のお家はどこですか?」


「……コーデリアァ?コーデリアねぇ。北の1番端にある家がコーデリアの家だ。」


「ありがとうございます!!」


不気味な人だったけど、いい人。やっぱりあたしの直感は当てにならないや。


勉強して他人の魔力量は分かるようになったけど、純度はまだ分からない。師匠も忙しいだろうし、今度暇そうなフランにも手伝ってもらおっと。


「……オルラ・シュア・フェートンねぇ。アムアで魔法の才能が無い奴は始めて見たな。」



シスルさんに言われた通りの、コーデリアさんの家と思われるところに来た。


「こんにちはー!!コーデリアさんのお家ですかー?」


大きな声でコーデリアさんを呼んだ。しばらくして、コーデリアさんと思われる女性が出てきた。


「ノックしないと分かりにくいっつーの。アムアの魔法使いならわか……えっ、子供?」


濃紫色の髪と薄紫色の瞳をした、魔法使いというよりも、強そうな女騎士が似合いそうな人が出てきた。


服装も、騎士の制服みたい。制服の色が黒と白でカッコイイ!


「あー、噂のお弟子さんですね。名前は……」


「フェートン王国の第4王女、オルラ・シュア・フェートンです!コーデリアさんで合ってますか?」


「……まあ、私がコーデリアってのは合ってますが……。大魔法師様のお弟子さんが私に何の用があって……。」


「……コーデリアさんは、魔法使いじゃなくて騎士なんですか?」

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