第5話 2人の魔法使い
なんで最初に散歩をするのかは分からないけど、師匠が言うから間違いないよね!
それにしても、大人ばっかりで子供が1人も居ない。学校とかがあるのかな?
「わぁ。子供だ。久しぶりに見た。でも魔法の才能無いから来賓かな?可愛いオレンジ色のお目目だね。」
「アムアが外の客を招き入れたことないだろ。きっと泳いで大陸から逃げてきたんだ。」
「大陸からここまで?さすがに無理だよ。疲れて溺れ死ぬかサメの餌食になるしかないよ。ここ、すっごく遠いもん。」
2人の男の人が近付いてきて、多分だけれど私のことについて話してる。外国語で話しているからなんて言ってるのか聞き取れない。
「あ、あたし、フェートン語以外分かりません!」
ハッとしたのか2人の男の人は喉に手を当てて何かをしている。魔法はまだよく分からないや。
青い瞳をしたタレ目の優しい雰囲気のお兄さんと、赤い瞳をしたつり目の怖そうなお兄さん。でもお2人のシルバーの髪色がすごく綺麗。
「これでどう?アムアに来たことないのにアムア語分かるわけないよね。」
「そなたの名前を教えてくれ。」
「フェートン王国の第4王女、オルラ・シュア・フェートンです。大魔法師様の弟子になり、魔法の勉強をしに来ました!」
タレ目のお兄さんはにっこりと笑っていたけれど、つり目のお兄さんは、あたしが師匠の弟子になったと言うと、怖い顔になった。
「へぇ、オルラちゃんっていうんだ。王女様かぁ。お金いっぱい持ってそ……そうだよね。いつも愛されるだけの不自由はつまらないよね。」
「え?」
「あっ、おれはフランクリン!昔に大魔法師様が定めた規則で本当の苗字は捨てたから無いんだ。」
えっ?あたし捨ててないんだけど……。数日経ってから捨てるのかな?
王族がキレるから捨てられない。
「お前、大魔法師様の、弟子に?……こんな、才能のない小娘が?」
つり目の人は驚いたような口調でアムア語でなにかボソボソ呟いてる。
フランクリンさんは優しい人だけど、こっちの赤い瞳をしたつり目のお兄さんは怖い……!!けど、林檎の甘い香りがするから可愛さも感じる……。
「あー、こいつはジャレッド!プライド高い奴だけど、大魔法師様のためならかなりの努力家。」
「ジャレッドさんは怖いけど、カッコイイ人ですね。フランクリンさんは、すっごく優しいし、笑顔がかわいらしいです。」
「フランって、呼び捨てでいいよ。おれもそっちのほうが楽だし。ジャレッドがカッコイイかぁ。ジャレッド、本当は嬉しいんじゃない?」
「どうでもいい。カッコイイとかなんて。」
ジャレッドさんは、ずぅっとあたしとフランのことを獲物を狙うかのように睨んでる。
「そういえば魔法の勉強をしに来たんだったね。1つ教えてあげる。どんなに魔法が使えなくても、魔法石は使わない方が良いよ。」
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