第2話 未来予知魔法

「フェートンに直接大魔法師が来れば良いだろう!」


「お金というものは無限ではありませんので。」


王女がアムアに移住するか、王宮に残るか論争中。王女が魔法使いになることは許可したくせに。


こっちも嫌々了承したんだからアムアに移住させてくれ。こっちはお金がないんだよ。


将来有望な見習いか、中級魔法以上を扱えないと居住が許可されないんだぞ?アムアって。


「王女様の意見を聞いてみるのはいかがでしょう?」


「あ、あたしは、アムアにも住んでみたいし、家族にも会いたいです!」


答えになってない。難しいだろうけど、どっちかに限定してほしい。


やっとのことで笑顔を維持しているからか、口角が痙攣する。


早く終わらせたい。そうしないと帰ったらとんでもないことになってるから!!


「アムアは魔法で溢れているので、王国よりも早く魔法使いになれますよ。1年に何日か王国に戻ればいいだけで……」


「あたし、アムアに行きます!!」


思っていたよりも決断が早かった。幼い分ここへの情が薄いのか?まあでも、良かった。これで、アレを減らせる。


「……じゃあ、オルラがアムアに行く代わりに1つお願いがあるんだが、オルラの未来を見てくれ。オルラがこんな変な奴等と暮らして似てしまわないか不安なんだ。」


アムアの魔法使いが変な奴等ってのは否定できないな……。だが魔力にも好みってものがあるし?


未来予知魔法は最上級魔法の中でもかなり習得難易度が高く、上位魔法使いの中でも極小数しか使えない。


魔法は約百個あり、主に5つに分類される。

1最上級魔法←未来予知魔法はここ

2上級魔法

3中級魔法

4下級魔法

5初級魔法


アムアでさえ使える人が少なすぎて研究が全く進まず、魔力を大量消費するという本当に面倒な魔法。


「かしこまりました。良い未来だと良いですね。」


魔力を眼球に集中させ、未来の王国の姿を見た。王女個人にこの魔法を使うのはもったいない。どれだけこの魔法、力使うと思ってんの。


王宮の真ん中で、第1王子と、第2王子が王位継承権で揉めている。


その後、色々あって国が東西に分裂し、第1王子が西、第2王子が東の国王となった。


頭良い第1王子が統治する西フェートンは100年も経たずに滅亡し、活発な第2王子が統治する東フェートンは1000年後に滅亡した。


いや、言いにくすぎる。良い未来だったら本当のこと言おうとしたけど、こんな未来を堂々と言えないでしょ。


適当に誤魔化すしかないよね?これ。なぜか第3王子と王女は全く出てこなかったし!


「とっても良い未来でした。王子様方もシスコ……兄弟仲がとてもよかったです。」


「それは良かった。その未来が真実なのであれば、オルラが変な奴等に似てしまう不安もなくなる。」


まぁ、別の不安があるんですけどね。いつか教えようかな。今は……なんとなくとんでもないことになる気がする。


-------❁ ❁ ❁-------

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