第9話『大学入学後』


 俺とディアナは無事、大学に合格。

 俺は晴れて、大学生となった。

 横浜魔導大学。専攻は魔導術学部攻撃魔術科である。

 ディアナも同じ学科である。


 大学では私服でもいいのだが、制服も身につけてもよい事になっている。

 俺はせっかくなので、制服を身につけている。

 ディアナにはスクール水着に透明ローブ、白のソックス、ローファー。という、非常に恥ずかしい格好をさせている。

 なぜ、こんな格好をしているかって?

 彼女はたびたび、悪さをするからだ。

 特にエレナに対して。


「ダイ様。どうか、お許しください」


 ディアナは恥ずかしさで顔が真っ赤だし、涙目になる。

 彼女は巨乳なので、スクール水着が大変な事になっている。

 そんなあられもない、ディアナの姿に男子生徒の視線は熱いし釘付けだ。

 そんな状態でも、俺は普通に教科書を眺め、勉強をしていると。


「よぉ! ダイ!」

「おっはよ~!」

「おう、三津郎に陽菜知歌じゃないか。おはよう」

 彼は龍千地りゅうぜんじ三津郎みつろうだ。龍千地りゅうぜんじ弥彦やひこの息子で三男坊である。

 龍千地のじいさんと弥彦は、よくうちのダンジョンに潜るし、実際に会って食事をとる中だ。

 龍千地次郎の友人に八雲空音がいるが。彼は上位の神様である。

 彼は俺のダンジョンに潜っているが、上位の神様だけあって、かなり強い。

 三津郎の隣にいるのは、吉田よしだ陽菜知歌ひなちか。吉田陽介の妹だ。

 吉田陽介といえば、いわずとした上越ユリオの友人だ。

 上越ユリオは最強の存在であり、もはや宇宙レベル。

 地球であいつと良い勝負ができるのは、俺ぐらいだろう。

 俺の左側に三津郎と陽菜知歌が座る。


「あのさ、ディアナちゃん。また、何かしたのか?」


 三津郎がニヤニヤしながら、質問してくる。


「ちょっとな」

「何だよ。ちょっとって。教えてくれよ~」

「もう、三津郎、キモいよ!」

「えへへ、だってよ。ディアナちゃん、スクール水着だぞ? ヤバくないか?」

「馬鹿! 変態!」


 陽菜知歌は三津郎の足を踏む。


「いって~よ!」

「もう、ダイさん。ディアナちゃんに、そんな格好させてたら、ダイさんも変態扱いされますよ?」

「別にかまわないが?」

「もう、ダイさんってば! スケベさんなんだから!」


 陽菜知歌は腕を組み、頬を膨らませ、そっぽを向く。


「なあ、ディアナちゃんとダイは、どういう関係なんだ?」

しもべだな」


 三津郎は思いっきし吹き出し。


「アハハハハハ! 僕か。いいな~、俺にも僕が欲しいな」


 汚いな。俺の顔に唾がかなりついたぞ?

 制服のポケットにいれている、ハンカチを取り出し、顔を拭く。


「なあ、俺にも僕が欲しい~よ~。欲しいったら、欲しいよ~」


 三津郎のおねだりダンスが始まる。


「そんなに、僕が欲しいのか? そうだな、お前が本気で欲しいなら、紹介してもいいぞ?」

「マジで!?」


 友人だからな、それくらいの事、してもいいだろう。

 そんな事を考えると、陽菜知歌は三津郎の頬をつねる。


「いしゃい!」

「三津郎は馬鹿ね。ダイさんは冗談で言ってるのよ。本気にしないの」


 冗談ではないのだが? まあ、それを言っても、陽菜知歌は信じてもらいそうにないが。



《視点 悪魔吸血鬼》


 廃れたビルに真新しいソファーで腰掛け、魔導モニターを眺めていた。

 20台のモニターにはそれぞれ、横浜魔導大学の玄関、食堂、教室、講堂などが映っていた。


「素晴らしいわ。どの子も優秀ね」

「そうだニャか? うち的には普通だニャ」

 吸血鬼猫人ヴァインパイアキャットのチェレはポテチをパクパク食べ、まるで、映画館で映画を視聴しているかのように、リラックスしている。


「チェレ、この大学は日本国内でも屈指の魔導大学だ。優秀な奴は多い」

 吸血鬼狼ヴァンパイアウルフのギバルが腕を組み、モニターを視聴する。


「そうだよぉ~。チェレは見る目がなさすぎ~。鑑定眼スキルレベル、低いんじゃないの~?」


 吸血鬼妖精ヴァンパイアフェアリーのミルシィがケラケラ笑う。


「うっさいニャー。喧嘩なら買うぞにゃ~」

「いや~ん、こわ~い。言葉じゃなくて拳をふるうなんて、脳筋なの?」

「もう、二人とも。じゃれてないで、仕事をしなさい」

「は~いだにゃ」

「は~い!」


 二人はよく喧嘩はするが、仲がいい事を知っている。

 お互い能力を認め、信頼している事も知っている。


 わたくしは、モニターを視聴を再開。

 わたくしは注目している男性がいる。

 名を永遠野ダイ。年齢は28歳。

 魔導術学部攻撃魔術科。

 実技テストで歴代最高点を叩き出し、首席合格した秀才。

 彼は優秀。ぜひとも、わたくしの仲間に引き入れたい。


「ディアナちゃん。今日はスク水かぁ~」

「ギバル! 何を見てるのかしら?」

「ディアナちゃんです。どうです、姫。ディアナちゃんを仲間にするのは?」

「そうね」


 夢村ディアナ。

 確か、彼女は筆記試験、実技試験で高得点を叩き出し。成績は2位で合格している。

 永遠野ダイがいなければ、首席合格していただろう。

 彼女もかなり優秀である。

 情報によると、ダイという男とパーティーを組んでいる。

 ダイとディアナを一緒に仲間にするのも悪くない。


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