第225話 聞けば、最近第3王子は山羊頭を倒した後、
聞けば、最近第3王子は山羊頭を倒した後、少しでも自身を鍛える為に29階層で鍛えているのだとか。で、今日来てみたらカボがいなかったので、カボツーからカボファイブの4機を連れて山羊頭を倒した後、罠探知が出来て人語を解せるカボが戻ってくるまでここで桃を食べながら書類仕事をしていたそうだ。
そんな第3王子の後ろでは、次の剥かれた桃が乗った皿を手に持った黒服の男が佇んでいる。
まさか桃しか食べてないなんて事ないよな?
「………アーバン殿、少し相談があるのだが良いだろうか」
俺がアホな事を考えていると、第3王子が神妙な顔持ちでそう切り出した。
良くないが?
アーバンさんに相談?ゴーレムの事以外なら間違いなく人選ミスです。自負があります。
「……私は、ヨルレア・フェーレの操縦者に相応しく無いのではないだろうか」
あ、ゴーレムの事だった。
待って、念のために録音したい。
次回作に差し込めるかもだし。
あ、カボがいるから問題ないか。
「何故、そう思われるのですか?」
寧ろガステア神と並びベスト・パイロット賞を送りたいが?
「私の操縦技術は、ガステア殿の足元にも及ばない。もし、先日のジャガーノートの襲撃の際、ヨルレア・フェーレを操っていたのが私ではなくガステア殿だったら、片足を失うなどという無様は晒さなかった、寧ろ、輝かしい戦果が約束されていた……どうしても、そんな風に考えてしまうのだ」
う~ん、分かりやすく落ち込んでらっしゃる。
確かに先日のガステアの活躍は凄かった。潰したジャガーノートというかモンスターの群れの数で言えば、ガステア1人で7、ヌゼと謎のパワードスーツ2人で2、そして第3王子が1だ。もちろんこれはトワイライトの移動速度あっての結果でもあるが。
しかもトワイライトは無傷(仮に傷を負ってもある程度自動修復するけど)だったし、リストゥエラも無傷だった。それは自信も無くすか。
「だとしても、私は殿下以外にヨルレア・フェーレの操縦者はいないと考えています」
「それは何故だ?」
見てて面白いから!
「殿下が殿下だからです。王家の人間が率先して国の為に前戦に立つ。これがどれだけの意味を持つか、殿下にもお判りでしょう?」
「……負けていては意味が無いだろう」
「殿下は負けましたか?」
「………」
「これからも負け続けるのですか?」
「………」
「殿下は何故ここにいるのですか?」
「……なに?」
「少しでも強くなる為、ですよね?」
「……そうだ。私は、私は強くなりたい。もう2度と負けたくない。」
「違います、殿下。それは私が欲しい答えではありません」
「どういうことだ?」
「負けたくないならば戦場に出なければ良い。殿下、勝ちたいと強く願って下さい。負けたくないと言うのは勝つ事から最も遠い考えだと私は思います」
「……勝ちたい!どんな相手にもだ!!ヨルレア・フェーレに相応しい操縦者に、私はなりたい!!」
なんかそれっぽい事言ってみてるけど、これ、俺の音声も残っちゃうのか……俺の部分は後で編集でカットするなり加工するなりしよう。
「その意気です殿下。殿下は山羊頭と接近戦をしたことはおありですか?」
「ん?あ、ああ。何度か経験している。カボやエボに勧められてな。実戦的な訓練になるからと」
「そうです。実戦経験が少ない事が今の殿下の一番の弱点と言えるでしょう。そこでどうでしょうか殿下?山羊頭より強く、魔力値の上昇率も高いモンスターと戦ってみませんか?しかも相手はダンジョンのモンスターですが、かなり広い空間なので、ヨルレア・フェーレに乗って戦う事が出来ますよ?」
「……詳しく聞かせて貰えるだろうか?」
くっくっく、ヨルレア・フェーレVS名前も知らないドラゴン。新作ゲットの予感だぜ。
おっと、まだドラゴンがどれぐらいの周期で復活するのかとか調べて無かった。
山羊頭より生成に魔力を必要とするだろうから1日は難しいか?
なんなら俺が外から無理矢理魔力をねじ込んで復活させても良いけど。
どちらにしろまずはあの部屋の魔法陣の解析が先か。
あの部屋にカメラも仕込みたいし、ちょっと時間がいるな。
「詳しい話はまた後日でも構いませんか?少し事前に調べ事がありますので」
「なんだ、焚きつけるだけ焚きつけてお預けか?アーバン殿も人が悪いな」
「申し訳ございません。その分、良いお話になると思います」
俺にとってね!
「では、楽しみに待たせてもらおう」
さて、魔法陣の解析を急ぎますか。
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